ドイツ新局長、回復基調をアピール、今年は「明るい兆し」
ドイツ観光局はこのほど、都内でアジア・オーストラリア地区統括局長の交代セレモニーを開催した。5月1日付で局長に就任した西山晃氏はセレモニーの場で業界誌の取材に応え、テロ事件などにより旅行者の減少が続いていた日本市場について「回復しつつあり、明るい兆しが出てきた」と喜びを表明。「今後も前向きにドイツの魅力をアピールしていきたい」と話した。
同局によれば、16年の日本人宿泊数は前年比11.8%減の106万9613泊となったが、今年は1月が8.9%増、2月が0.6%増、3月が21.9%増と復調傾向にある。西山氏は「メディアの皆様には、ドイツ旅行が上向いていることを発信し、『ドイツに行ってみよう』という空気を作っていただきたい」と語った。
日本人がドイツ観光局のアジア・オーストラリア地区統括局長に就任するのは、今回の西山氏が初めて。同氏は「非常に光栄に思うとともに責務の重さを感じている」と語り、「ドイツ観光を盛り上げるように精一杯精進していきたい」と意欲を示した。今後の方針については「本局のプロモーション方針を日本市場に上手く合わせていくことが重要。良い化学反応を起こし、ドイツの魅力をアピールしたい」と話した。
この日はプレス向けにセミナーも開催し、西山氏が日本市場の動向について解説。訪独日本人旅行者のうち86%がインターネットで旅行商品や航空券などを購入していることを説明し、「団体から個人へとFIT化が進んでいる。観光局がこの動きにどう対応していくのかが重要」とコメントした。
17年は「ルターの宗教改革500周年」などをテーマにマーケティング活動を展開中。宗教改革については日本ではあまり馴染みがないため、ルターゆかりの観光地や世界遺産、音楽など、日本人向けの観光素材を訴求する。
加えて、カッセルで9月17日まで開催中の、5年ごとに開催される現代美術展「ドクメンタ」や、10月15日まで開催中の10年ごとに開催される国際園芸博覧会「IGAベルリン2017」なども今年のテーマに設定。ホーエンツォーレルン城などの絶景や、日本人に人気の高い観光街道なども引き続きアピールする。観光街道については、今年は「ゲーテ街道」に焦点を当て、オンラインキャンペーンなどを実施するという。