復調の香港支える座席増、プロモーションも奏功ー「適正価格」注文も
テレビとSNSで需要喚起と刈り取り
LCC効果かレジャー需要が大幅増
スペシャリストに「個人研修旅行」案、団体向け特典も
旅行業界向けには、eラーニングの「香港スペシャリストプログラム」を運営。同プログラムは現在、日本で約600名がスペシャリストに認定されているといい、今後は新規受講増に加えて既存スペシャリストの活性化に取り組む。
従来からスペシャリストには証明書を発行しており、店舗における販売促進などでの活用を呼びかけているものの、今後はより直接的なメリットも享受できるようにしていくという。
具体的には「香港スペシャリストクラブ」と題し、スペシャリストが現地を訪れる際に利用可能な「ウェルカムパック」を提供。これは、2階建てトラムやピークトラムの乗車、ジャンク船の「ダックリン・ライド」、地下鉄1日パス、スカイ100入場券が無料となるもので、さらに5日間利用可能なのSIMカードも付くという。航空会社やホテルの協力も得て、「個人研修旅行」も実現したい考えだ。
また、団体旅行の獲得のため、引き続き「香港リワード!キャンペーン」を展開。これは、企業が企画・主催する旅行で、香港に宿泊する20名以上のグループを対象に特典を用意するもので、参加者全員にHKTBの公式ガイドブックやマップ、ボールペン、香港国際空港でのクーポンをプレゼントするほか、50名以上で2泊する場合は条件によって空港での歓迎エスコートなどの特典も提供する。
団体向けにはサプライヤーも独自の特典を設けており、CXグループやホテル、香港ディズニーランド・リゾート、ハッピーバレー競馬場、オーシャンパーク、マダム・タッソー香港など多数の企業が参画。例えば50名で宿泊が2泊以上の場合、約50軒のホテルでカクテルレセプションが無料で利用可能となるという。
持続可能な成長へ、「適正価格」で販売を
アジア圏では、好調なインバウンド需要に押されて日本語ガイドが訪日添乗に転じるなどして手配しにくくなる事態が課題となっているが、香港日本人旅客手配業社協会会長の徐王美倫氏によると、香港ではさほど影響は出ていないという。
ただし、収入の少なさなどが原因で若手ガイドの確保が非常に困難になっているといい、協会としても大学など教育機関と連携した研修受け入れなどの対策を実施。とはいえ根本的な解決にはならず、徐氏は「ガイドの質が市場の成長に直結する。日本の旅行会社の皆様にもご協力いただき、適正価格での販売をお願いしたい」と要望した。
取材:本誌 松本裕一
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