外務省、インドにもジカ熱の注意喚起-WHOのリスト紹介

  • 2017年5月31日

 外務省は5月30日、世界保健機関(WHO)がこのほどインドをジカウイルス感染症の「カテゴリー2」に追加したことを受けて、注意喚起のためのスポット情報を発出した。同カテゴリーは「2015年以前にウイルス伝播を確認、または15年以降新たに感染事例が報告され、中断なく感染伝播が起きている地域」が対象で、インド保健家族福祉省は今月に入り、グジャラート州のアーメダバードで感染症例3例が報告されたことを発表している。

 ジカウイルスについては、妊娠中に感染すると胎児に小頭症などの先天性障害が現れることがあるため、外務省は妊娠中または妊娠を予定している人には、流行地域への渡航を可能な限り控えることを呼びかけている。また、渡航者には各国の大使館や領事館のウェブサイトなどから最新情報を入手するとともに、防蚊対策を呼びかけている。

 外務省によればWHOは、ジカウイルス感染症の伝播状況とその潜在性に応じて、世界の国と地域を4つのカテゴリーに分類。危険度の高いカテゴリー1と2の地域については、妊娠中の女性が渡航しないよう呼びかけている。WHOによる分類は以下の通り。

▽WHO、ジカウイルス感染症の危険度

●カテゴリー1:15年以降感染事例が報告され、現在も感染伝播が起きている地域
【アフリカ】アンゴラ、カーボベルデ、ギニアビサウ
【中南米】アルゼンチン、アンティグア・バーブーダ、エクアドル、エルサルバドル、ガイアナ、グアテマラ、グレナダ、キューバ、コスタリカ、コロンビア、ジャマイカ、スリナム、セントルシア、セントクリストファー・ネーヴィス、セントビンセントグレナディーン諸島、ドミニカ共和国、ドミニカ、トリニダード・トバゴ、ニカラグア、パナマ、バハマ、パラグアイ、バルバドス、ベネズエラ、ベリーズ、ペルー、ボリビア、ホンジュラス、メキシコ、英領アンギラ、英領タークス・カイコス諸島、英領ケイマン諸島、英領バージン諸島、英領モントセラト、仏領グアドループ、仏領サン・マルタン、仏領ギアナ、仏領マルティニーク、蘭領アルバ、蘭領ボネール、蘭領キュラソー、蘭領シント・マールテン、蘭領シント・ユースタティウス島、蘭領サバ島、バージン諸島、米領プエルトリコ)
【北米】米国フロリダ州の一部地域、米国テキサス州の一部地域
【アジア】シンガポール、モルディブ
【大洋州】サモア、ソロモン諸島、トンガ、パラオ、パプアニューギニア、フィジー、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦

●カテゴリー2:15年以前にウイルス伝播を確認、または15年以降新たに感染事例が報告され、中断なく感染伝播が起きている地域
【アフリカ】ウガンダ、ガボン、カメルーン、コートジボワール、セネガル、中央アフリカ、ナイジェリア、ブルキナファソ、ブルンジ
【中南米】ハイチ、ブラジル
【アジア】インド、インドネシア、カンボジア、タイ、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ラオス

●カテゴリー3:感染伝播は途絶えているが、将来感染伝播が起こる可能性がある地域
【中南米】仏領サン・バルテルミー島
【大洋州】バヌアツ、チリ領イースター島、クック諸島、仏領ポリネシア、仏領ニューカレドニア、米領サモア

●カテゴリー4:媒介するネッタイシマカの生息が確認されているが、これまでに感染事例の報告がない地域
【アフリカ】エジプト、エリトリア、エチオピア、ガーナ、ガンビア、ギニア、ケニア、コモロ、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、サントメ・プリンシペ、ザンビア、シエラレオネ、ジブチ、ジンバブエ、スーダン、赤道ギニア、セーシェル、ソマリア、タンザニア、チャド、トーゴ、ナミビア、ニジェール、ベナン、ボツワナ、モザンビーク、マダガスカル、マラウイ、マリ、南アフリカ共和国、南スーダン、モーリシャス、リベリア、ルワンダ、仏領マヨット、仏領レユニオン
【中南米】ウルグアイ
【中東】イエメン、オマーン、サウジアラビア
【ヨーロッパ】ジョージア、トルコ、ロシア、ポルトガル領マデイラ
【アジア】スリランカ、中国、ネパール、パキスタン、東ティモール、ブータン、ブルネイ、ミャンマー
【大洋州】オーストラリア、キリバス、オーストラリア領クリスマス諸島、ツバル、ナウル、ニウエ、ニュージーランド領トケラウ、米領グアム、米領北マリアナ諸島、仏領ウォリス・フツナ