16年の国際会議、日本は410件で7位、中国と同数

 日本政府観光局(JNTO)はこのほど、国際会議協会(ICCA)が集計した2016年の国際会議開催件数(暫定値)を発表した。それによると、日本での開催件数は前年比15.5%増の410件で過去最高を記録し、12年以来4年ぶりに2桁の伸びを示すとともに、4年連続で世界7位となった。アジア・オセアニア・中東地域では5年連続で1位となったものの、昨年2位の中国が23.1%増の410件と同数で並んだ。

 JNTOによると、5月に横浜で開催された国際細胞学会など、参加者が3000人を超える大型会議が9件開催されたことや、19年のラグビーワールドカップや20年の東京五輪など大型イベントの日本開催が決定したことにより、日本の認知度が向上したことなどが増加の要因。政府を挙げて取り組んできた国際会議業界へのプロモーションや、各都市の受入環境の充実なども件数の増加に寄与したという。

 5月19日の記者会見で、観光庁長官の田村明比古氏は「これまでの取り組みが一定の成果を出した」と喜びを示す一方で、「中国がともに1位になったことへの問題意識は当然ある。さらに国際会議の誘致に向けた取り組みを強化する必要がある」と強調。官民一体で国際会議の誘致に努める考えを語った。

 16年に全世界で開催された国際会議の件数は1.3%増の1万2227件で過去最高記録を更新。1位はアメリカで1.0%増の934件、2位はドイツで3.3%増の689件、3位はイギリスで前年並みの582件、4位はフランスで4.4%増の545件、5位はスペインで6.8%減の533件だった。JNTOによると、直近10年の国際会議件数の推移を見た場合、全世界の26.9%増に対して、日本は30.2%増で、世界の伸びを上回っているという。

 アジア・オセアニア・中東地域については、日本と中国がともに1位となったほか、3位が韓国で前年並みの267件、4位がオーストラリアで14.6%減の211件、5位がタイで15.2%増の174件と続いた。

 日本の都市別で最も開催件数が多かったのは東京で18.8%増の95件。2位は京都で28.9%増の58件となり、1位と2位は昨年と同様の結果となった。3位は大阪で8.7%増の25件、4位は福岡で23.3%減の23件、5位は神戸と横浜の21件で、神戸が61.5%増、横浜が4.5%減となった。全世界の都市別の順位では、東京が昨年から7位上昇し21位、京都が13位上昇し44位、大阪が15位上昇し100位、福岡が26位下落し111位、神戸は71位上昇し120位、福岡は3位下落し同じく120位となった。

 なお、ICCAは国際機関や国際団体、民間企業を除く国内団体などが主催する会議のうち、参加者の総数が50名以上で、定期的に開催され、3ヶ国以上で会議の持ち回りをおこなうものを国際会議として認定している。