4月の訪日客は24%増の258万人-5月13日に1000万人突破

  • 2017年5月21日

田村氏  日本政府観光局(JNTO)によると、2017年4月の訪日外国人旅行者数(推計値)は前年比23.9%増の257万8900人となり、単月で初めて250万人を上回った。昨年は3月末に始まったイースター休暇が今年は4月から始まったことに加えて、航空便の増加や大型クルーズ船の寄港などが要因。主要20市場のうち台湾、香港、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、ロシアの13市場が単月として、残りの7市場が4月として過去最高を記録した。

 観光庁長官の田村明比古氏は5月19日の定例会見で、「アジアのみならず欧米からも幅広く、多くの方に来ていただいた」と喜びを示し、特にイースター効果で増加した欧米豪を中心とした10市場について、3月と4月の累計で20%以上増加しており、イースター効果以外でも順調に増加したことを強調。「引き続きこの勢いを継続できるよう、総合的に施策を講じていく」と意欲を語った。

 そのほかには、5月13日に訪日外国人旅行者数が1000万人を超えたと見られることを報告。昨年は6月5日に超えたため、23日間早まったという。

▽韓国が57%増で牽引、中国は伸びが鈍化

 市場別に見ると、4月の訪問者数が最も多かったのは韓国で、56.8%増の55万4600人だった。日韓路線の増便や機材の大型化に加えて、昨年4月には九州地震により旅行者数が減少していたことなどから、5割以上の伸びを示した。

 2位は中国で2.7%増の52万8800人、3位は台湾で7.6%増の41万3300人、4位は香港で64.6%増の20万9400人。田村氏は中国の増加幅が小さかったことについては、3月と同様に中国人出国者数自体の伸びが鈍化していること、競合相手である欧州への旅行が航空運賃の低下などにより堅調に推移していることなどを理由として挙げた。

 外務省が5月8日から訪日中国人旅行者のビザの取得要件をさらに緩和したことについては、FIT化の流れを受けた動きであることを説明。「今後は徐々に緩和の効果が出てくると期待している」と話した。

 伸び率が最も高かったのはスペインで74.4%増の1万1200人。以下はロシアが66.0%増の9000人、香港が64.6%増、韓国が56.8%増と続いた。

 なお、4月の日本人出国者数は0.8%増の126万人だった。詳細は別途記載(下記関連記事)。