ホテルベッズ、GTAも買収へ、ツーリコに続き
主に「Hotelbeds」と「Bedsonline」の2ブランドでホテル客室のホールセール事業を展開するホテルベッズ・グループは4月21日、個人旅行手配などを手がけるGTAを買収すると発表した。買収の期日や条件などの詳細については発表していない。同グループは、今年2月にはオンラインBtoB流通のツーリコホリデイズの買収計画を発表したばかり。
同社グループ会長のジョアン・ヴィラ氏は発表に際して「2社の買収計画は我々のビジネスの加速に向けた決意を示すもの」と説明。GTAについては「非常に優れたBtoBのホテル、交通手段、アクティビティーなどの流通業者であり、特に急成長しているアジア太平洋地域や中東市場で存在感を示している」と評価し、ホテルベッズの成長戦略とも親和性が高いとの見方を示した。
GTAのCEOを務めるアイヴァン・ウォルター氏は「ホテルベッズグループとの協業は非常に嬉しい。確固たる実績をもつ我々は、ホテルベッズと一緒に経験や意志、BtoBビジネスに関する戦略などで力をあわせることができる。今回のニュースは旅行業界とその関係者にとって画期的な出来事となるに違いない」とコメントしている。
ホテルベッズは、昨年までは世界最大規模の旅行関連企業グループのTUIの傘下にあったが、9月にTUIが投資会社へ売却。現在はスペインに本社を構え、世界の約150ヶ所にオフィスを展開して6000名超を雇用し、180ヶ国の12万軒の宿泊施設や2万件の交通手段、1万2000件のアクティビティを取り扱っている。主力の宿泊の流通は2014年度は2600万泊に登り、流通額は38億ユーロ(約4450億円)に達している。
一方のGTAは、昨年末に親会社のクオニイを買収したスウェーデンの投資会社の決定により独立し、営業拠点を持つ各国で現地法人を設立。クオニイが団体旅行手配、GTAが個人旅行手配を手がけることとなり、日本ではGTAジャパンが4月1日から営業を開始していた。本誌の取材に応えた同社広報担当によれば、21日夕方の時点では本社から詳細な説明などはないという。