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HomeAwayとせとうちDMOが提携、21年までに年間5.5万人泊

▽せとうちDMO、「古街計画」で訪日誘客へ

水上氏 せとうちDMOは昨年4月に設立した広域連携DMOで、瀬戸内海に面する7県とJTB中国四国など13の企業などから成るせとうち観光推進機構と、12の銀行を中心に金融機関や域内外の事業会社など計46社から成る瀬戸内ブランドコーポレーションの2団体で構成。せとうち観光推進機構はマーケティングやプロモーションを、瀬戸内ブランドコーポレーションは事業者への資金面の支援をおこなっている。瀬戸内ブランドコーポレーションはこれまでに、古民家を再生して宿泊施設運営などを展開する徳島県三好市のちいおりアライアンスと資本提携している。

 瀬戸内ブランドコーポレーション代表取締役社長の水上圭氏は同DMOについて「瀬戸内の7県にわたる日本最大級のDMOで、組織内に観光ファンドを持つ他にない組織」と説明。活動の一環として、今年から古民家を含む古い街並みを丸ごと観光資源化する新たなプロジェクト「せとうち古街計画」を開始したことを紹介し、「HomeAwayとの連携により、このプロジェクトを世界的に発信していきたい」と意欲を示した。

 今回の提携により、瀬戸内ブランドコーポレーションは21年までに古民家などを活用した宿泊施設を、開業済みの13棟とあわせて計100棟開発する考え。宿泊施設のオーナーにはHomeAwayとの専属契約、施設内におけるHomeAwayブランドのアピールを推奨する。また、瀬戸内ブランドコーポレーションがオーナーとなる施設については、HomeAwayと専属契約を締結し、じゃらんなど国内の宿泊予約サイトには物件を登録するが、Airbnbなど海外の民泊仲介サイトには物件を登録しないこととする。

 一方でHomeAwayは、瀬戸内ブランドコーポレーションが開発する施設とその周辺地域に関して、訪日旅行者向けにプロモーションを展開する予定。宿泊施設には同社の推薦状を掲げるほか、同社のロゴマーク入りのマグカップや「土足厳禁」などを示すステッカーなどを提供する。そのほか、同社が有する訪日旅行者に関するマーケティングデータを瀬戸内ブランドコーポレーションに提供し、瀬戸内エリアのブランディングと登録物件への誘客を支援する。

 今回の提携による協働の第1弾として、HomeAwayは4月19日から最初の専属契約物件となる愛媛県内子町の「ホテルこころ・くら」と「町家別荘こころ」の掲載を開始。ともに築150年の蔵と屋敷を改装したもので、両施設ともに旅館業法の簡易宿所認定を受けているという。また、瀬戸内ブランドコーポレーションは第2弾の物件として、同じ内子町の2軒の古民家のリノベーションを進めているところ。開業は17年秋を予定する。