済州、中韓関係の変化を機に「質的成長」へ、8万人めざす

  • 2017年4月10日

崔氏  済州観光公社はこのほど、同社社長の崔甲烈(チェ・ガプヨル)氏の来日にあわせて、都内で旅行会社向けの観光説明会を開催した。冒頭で挨拶した崔氏は、韓国での高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備による中韓関係の悪化について言及し「中国政府の訪韓旅行禁止措置は、ある程度の影響を及ぼすだろう」と説明。その上で「これを機に、今年は日本や欧米などからも多くの観光客を誘致し、量だけでなく質的にも成長する1年にしたい」と述べ、参加者に協力を呼びかけた。

 同社によると、済州島への日本人旅行者数は2012年には18万人を記録したものの、以降は日韓関係の悪化や中東呼吸器症候群(MERS)の流行などの影響で年々減少。16年は19.0%減の4万8000人に終わった。17年2月までの累計は15.9%増の3721人で、今後は、中国路線の開設が許可されなかった韓国の航空会社による日本路線の増便に加えて、4月28日にソフトオープンする統合型リゾート(IR)の「チェジュ・シンファ・ワールド」など観光素材が増えることなどにより、年間8万人をめざす考え。

呉氏  説明会では、同社海外マーケティング処日本チーム代理の呉基雄(オ・ギウン)氏が済州島の最新情報についてプレゼンテーションを実施。今年7月に南部で開港する、クルーズ船も受入可能なカンジョン港や、チェジュ・シンファ・ワールドなどの新たな観光スポットのほか、済州国際観光マラソン大会などの主要なイベントの紹介をおこなった。

姜氏  そのほか、この日は「チェジュ・シンファ・ワールド」を開発している、香港のカジノ運営会社のランディング・インターナショナル・デベロップメントの担当者も出席。セールスディレクターの姜恩貞(カン・ウンジョン)氏が施設の概要と、開業に向けた進捗状況についてプレゼンテーションをおこなった。

 同施設は済州島西部に位置するテーマパーク、ウォーターパーク、ホテル、ショッピングモール、コンドミニアムなどからなるIRで、総面積は250万平方メートル。19年に全施設が完成する予定で、まずは4月28日にコンドミニアムがオープンし、9月には7つのエリアからなるテーマパークのうち3エリアが、10月にはホテルが、11月にはショッピングモールとエンターテイメント施設の「K-POPセンター」が開業する。その後、18年7月以降にテーマパークの残りの4エリアが完成するという。