週間ランキング、業法など改正案1位、2位には学生インターン
[総評] 今週の1位は、政府が旅行業法と通訳案内士法の改正案を閣議決定した記事でした。旅行会社のビジネスの根幹を左右する話題ですから納得の1位です。旅行業法では、国内と訪日分野のランドオペレーターが「旅行サービス手配業者」として登録が求められるようになり、通訳案内士法では誰でも有償のガイドサービスを提供できるようになります。
オペレーターについては、きちんと機能すれば悪質な業者を排除できるようになると期待されるところで、逆にいえばいかに実効性のあるかたちで運用されるかに注目が集まります。一方、通訳案内士法では、これまでの有資格者は「通訳案内士」と名乗ることが認められる一方、これまでは独占できていた有償でのガイド業務を手放すことが求められます。
個人的に気なるのは通訳案内士の方で、有資格者の皆様からすれば、せっかく勉強して資格を取ったのに「名乗れる」だけとはどういうことか、と憤懣やるかたないはずで、資格の実質的な優位性が今後確保されなければ資格を取得しようとする人はいなくなり、制度自体が破綻することになるように思います。
ただ、一方では既存の何かに配慮をすることでダイナミックな改革が進まないというのはよくある話で、八方美人的な変更にならなかったことは評価されるべきかもしれません。いずれにしても、今回の改正によって実現したかった目標がしっかりと達成されるようにすることが最重要となります。
次いで2位は日本旅行業協会(JATA)によるインターンの記事となりました。いうまでもなく、旅行業の持続的な発展のためには良い人材の確保が絶対条件です。「良い」というのは、別に偏差値の高い大学を出ているとかそういった尺度で決まるものではなく、事業計画の円滑な遂行や会社の存続と成長にどれだけ貢献できるかどうかが鍵でしょう。
その意味では旅行業との相性はもちろん大切ですし、さらにいえば各社の社風やチーム内の雰囲気との相性によっても発揮できるパフォーマンスが変わるはずですので、人材の良し悪しは相対的なものであると最初から考えた方が良いのかもしれません。
大手旅行会社ともなると一度の新卒採用に何万人もの応募があるそうですが、そう聞くと本当に旅行業界は人気が高いのだと思わされます。しかし、旅行業は離職率が高いともいわれているところで、せっかく狭い門をくぐり抜けた若手が止めやすいということはその「相性」に問題がある可能性が高いでしょう。
恋愛や結婚で「自分はこういう人がタイプ」と思っていたら実際にはまったく異なる系統の人物とウマが合った、というのもよくある話で、本当に自分たちの組織が必要とする人材とはどのような人物か、改めて考えてみるのも有意義ではないでしょうか。
なお、この記事でおもしろいのはインターンを終えた学生による「イメージと合っていた点・凄いと思った点」と「イメージと違う・ダメだと思う点」です。特に後者は手厳しい意見もありますが、前段の例えを引き継げば、相手に要求するばかりでなく自分が魅力的と感じてもらえるようにする努力も不可欠であるはずです。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年03月10日0時~03月17日12時)
第1位
◆政府、旅行業法と通訳案内士法の改正案を閣議決定(17/03/13)
第2位
◆JATA、4年目のインターン実施、参加学生が感じた旅行会社とは?(17/03/12)
第3位
◆カタール航空、新ビジネスクラス発表、ダブルベッド・4人掛けに(17/03/15)
第4位
◆JTB-CWTと出張管理のコンカーが業務提携、BTM推進へ(17/03/13)
第5位
◆トップインタビュー:中国国際航空日本支社長の馮力氏(17/03/15)
第6位
◆変なホテル、舞浜で2号店開業-スタッフは7人とロボ140台(17/03/15)
第7位
◆小田急トラベル、10店舗を「JTB総合提携店」に、4月から順次(17/03/15)
第8位
◆Booking.com、日本市場の4年半を総括-民泊に意欲(17/03/14)
第9位
◆フランス、今年は「15年並みに」-大使はくまモン&リカちゃん(17/03/15)
第10位
◆パスポート自由度、日本は5位、1位はドイツ(17/03/15)
※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
◆春闘:JTBグループ3社(17/03/15)