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観光など3庁、「スポーツ文化ツーリズム」で初のシンポ

「スポーツ文化ツーリズムアワード2016」の10選に選ばれたWADO実行委員会によるオープニング  昨年3月に包括的連携協定を締結した観光庁・スポーツ庁・文化庁の3庁は3月16日、「スポーツ文化ツーリズム 国際シンポジウム」を開催した。スポーツと文化資源を組み合わせた観光振興の「スポーツ文化ツーリズム」を全国各地で定着させ、2020年の訪日外国人旅行者数4000万人の目標達成に寄与する魅力あるコンテンツを生み出すことがねらい。シンポジウムでは、このほど大賞を発表した「スポーツ文化ツーリズムアワード2016」の表彰式のほか、基調講演や有識者によるトークセッションなどをおこなった。

永山氏  冒頭で3庁を代表して挨拶した文化庁長官官房審議官の永山裕二氏は、同シンポジウムについて「昨年3月に協定を締結してから初めての大きな取り組みで、非常に珍しく画期的なこと」と説明。「3庁の取り組みを融合させることで、過疎化など日本が抱える諸課題に対する新たなモデルを作り上げたい」と意欲を示した。

原田氏  続いて、早稲田大学スポーツ科学学術院教授で日本スポーツツーリズム推進機構会長の原田宗彦氏が、「スポーツ文化ツーリズムのいまと今後の展望」と題した基調講演を実施。3庁による取り組みについて「観光地の魅力向上や訪日旅行者の受入環境の整備など、かなりのイノベーションが期待できるのでは」と述べた。その上で、韓国の文化体育観光部など、文化とスポーツと観光を組み合わせた国内外の先進的な事例を紹介し、「(日本でも)『庁』より上の組織が誕生すればいい」と期待を示した。

大賞の表彰式の様子  「スポーツ文化ツーリズムアワード2016」の表彰式では、大賞の瀬戸内しまなみ海道振興協議会の「サイクリストの聖地『瀬戸内しまなみ海道』を核としたサイクルツーリズム」などに、3庁の長官が表彰状を授与した。プレゼンターを務めた観光庁長官の田村明比古氏は「スポーツと文化とツーリズムは非常に親和性のある分野」と連携の意義を強調した。

 田村氏は大賞について、「風光明媚な舞台でのサイクリングを、国際的な連携のなかでおこなっている。また、パンク修理用の自転車チューブを自動販売機で販売したり、旅館の客室でマイ自転車が保管できたりと、初の大賞の取り組みにふさわしい」と評価した。各受賞者の詳細については別途記載(下記関連記事)。

 そのほか、有識者によるトークセッションでは、原田氏がコーディネーターを務め、群馬県のみなかみ町観光協会理事のマイク・ハリス氏やサンマリノ共和国駐日特命全権大使のマンリオ・カデロ氏、インバウンドビジネスプロデューサーの原田静織氏などがパネリストとして登壇。「海外から見た、日本のスポーツ文化ツーリズム スポーツ・文化・観光の融合と、地域の可能性」をテーマに意見を交わした。