群馬・四万温泉の「花の坊」が事業停止、負債14億円
東京商工リサーチによると、群馬県吾妻郡の四万温泉で旅館「花の坊」を経営していたゆあさはこのほど、2回目の不渡りを出し事業を停止した。負債総額は約14億円。
同社は1978年に設立。94年に本館を増改築したのち、宿泊客を取り込んで業績を伸ばし、ピーク時には4億円台の年間売上高を上げていた。しかしその後は市況低迷で宿泊客が減少。また、旅館施設の償却負担などから赤字計上が続き、債務超過に陥っていた。
2010年7月には中之条町が不動産を差し押さえ、同8月には不動産競売開始が決定。その後、中之条町の差押登記と競売差押が解除され、金融機関との協議を経て経営再建に努めたが、15年5月には不動産が再び中之条町に差し押さえられた。16年2月には群馬県信用保証協会が一部代位弁済を実行。その後も5月には不動産競売開始が決定され、7月には厚生労働省が差し押さえるなど厳しい経営環境が続いた。
16年8月期の売上高は約1億4700万円にまで減少し、約4200万円の赤字を計上。最終的には借入返済や滞納した税金の支払いの見通しが立たなくなったことから事業継続を断念し、今年2月27日に事業を停止した。