政府、港湾法の改正案を閣議決定、「クルーズ拠点」形成へ
政府は3月10日、「港湾法の一部を改正する法律案」を閣議決定した。訪日クルーズ客船の受入強化に向けて官民連携による港湾整備を促進するためのもので、あわせて地震など非常災害時に海上からの支援を円滑化することも目的とし、国が港湾管理者からの要望に応じて港湾施設を管理できるようにする。法案は開催中の通常国会に提出したのち、公布後1ヶ月以内に施行する。
訪日クルーズ客船については、政府が昨年3月に発表した「明日の日本を支える観光ビジョン」で旅客数を2020年までに500万人に引き上げる目標を設定。これを踏まえて国土交通省港湾局は、今年の1月に横浜港や清水港などの6港を「官民連携による国際クルーズ拠点」に選定している。クルーズ船社と県や市などの港湾管理者から拠点形成計画書を募集したもので、船社は旅客ターミナルビルの整備などに出資し、港湾管理者は船社に対して岸壁の優先的な使用を許可する仕組みを構築することが目的だ。
今回の法改正では仕組みの実現に向け、国際クルーズ拠点となる港湾について、管理する県や市などが拠点形成のための計画を作成すること、船社と岸壁の優先使用などに関する協定を締結することを法的に可能にする。港湾局によれば、法律施行後は選定した6港での取り組みを推進するとともに「ニーズがあれば拠点となる港の追加を検討する」という。