旅行会社は情報武装でテロに対抗-JATA事務局長・越智氏

  • 2017年2月20日

越智氏  日本旅行業協会(JATA)理事・事務局長の越智良典氏はこのほど本誌のインタビューに応じ、ここ数年業界を悩ませている海外でのテロ事件などに対し、旅行会社が取るべき方策について語った。越智氏は近畿日本ツーリスト(KNT)の海外旅行部長などを務めるなかでリスク対策に関するノウハウを蓄積し、現在は業界を代表するスペシャリストとして、外務省との調整役や各種セミナーの講師などを務めている。

 近年のテロ事件については「手口は年々巧妙になり、未然に防ぐことが難しくなっている」と警戒感を示し、「旅行会社も“武器”を持たなければ、何かある度に被害者やキャンセルの数ばかりが増えて、謝るだけの役回りになる」と説明。具体的な“武器”については、リスク対策会社などが提供する「確かな情報」を収集することに加えて、事件が起こった場合を想定しての模擬訓練、「JATA重大事故支援システム」など事故処理対応のための保険への加入などを挙げた。

 また、「事件が起きた際にはツアーの継続や中止などの判断が難しいが、旅行会社として利益を損なわないようにしなくてはいけない」と強調。旅行者の安全を最優先した上で「どのように工夫すればお客様を送り出せるのかを考えることが重要」と語り、リスクを伴う地域へのツアーを企画する旅行会社には「お客様に十分な説明をできるよう、通り一遍ではない努力を」と呼びかけた。

 そのほか、KNT時代にはリスク対策会社からの情報収集に加えて、海外の日本大使館などにも直接電話して情報を入手していたこと、社内で独自の模擬訓練を実施していたことなども説明。旅行会社に向けては「他社に倣っているだけではノウハウは磨かれない」とメッセージを送った。

※インタビューの詳細は後日掲載