若者の海旅促進で観光庁が検討会、アウト促進協とも連携

  • 2017年2月16日

JATAアウトバウンド促進協議会での田村氏  観光庁長官の田村明比古氏は2月15日に開催した定例会見で、16年度内に若者の海外旅行促進のための検討会を立ち上げる考えを示した。政府は昨年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」で、取り組むべき施策の1つとして「若者のアウトバウンド活性化」を掲げているところ。検討会のメンバーは外務省、文部科学省、厚生労働省などの関係省庁と、旅行関連団体などから構成する。田村氏は検討課題としてパスポートの取得促進や教育旅行への対応強化などを例に挙げた上で、「あらゆることについて検討会で考えていきたい」と意欲を示した。

 田村氏は若年層の旅行者を開拓する理由について「旅行業界の先を考えた時、お客様の中心層が高齢化していることが課題」と説明。将来については「行政としても力を入れて取り組んでいかなければならない」と話し、このほど日本旅行業協会(JATA)が立ち上げたアウトバウンド促進協議会とも連携する考えを示した。

 また、「観光行政はインバウンド中心ではあるが、インバウンドを伸ばすためにも世界中で学び、国際的な相互理解を深めなければならない」と話し、改めてツーウェイツーリズムの重要性を強調。大臣の外遊などを機に、2国間の相互交流拡大に向けた取り組みを進める方針を示した。

 田村氏はそのほか、プレミアムフライデーについても言及し、関係省庁と連携して、政府全体で有休取得率の向上のための施策を検討したい考えを説明。「これを契機に、経済界には根本的な取り組みを求めたい」と語った。