三越伊勢丹HD、ニッコウトラベル買収へ、37億円で
三越伊勢丹ホールディングス(三越伊勢丹HD)は2月10日、ニッコウトラベルを完全子会社化すると発表した。13日から3月23日まで株式公開買い付け(TOB)を実施し、約37億円で買収する。子会社化は4月頃を予定する。
三越伊勢丹HDは子会社の三越伊勢丹旅行で旅行事業を展開しているが、同社によればニッコウトラベルとの統合は「今のところは予定していない」という。ニッコウトラベルの社名も変更せず、培ったブランド力を活かすという。
両社はTOBにより、ニッコウトラベルが強みとする欧州などの海外旅行商品や、三越伊勢丹旅行が企画するラグジュアリーバスによる国内旅行商品を相互に紹介し合うことで、商品の拡充や新規顧客の獲得、営業の強化をはかる。双方の顧客情報の活用もめざすという。
三越伊勢丹旅行の現在の年間売上高は約70億円、ニッコウトラベルは約40億円。合計の売上高については「数年以内に1.5倍から2倍にしていきたい」という。経営体制については今後2社で協議し、人数は未定だが三越伊勢丹HDからニッコウトラベルに役員を派遣する予定だ。
そのほか、三越伊勢丹HDはニッコウトラベルのブランド力と認知度の向上をはかるとともに、同社に対してバックオフィス部門やシステム開発部門のリソースを提供。将来的には管理部門を集約するという。また、投資のサポートもおこなう考え。
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