アウト促進協、活動の概要を発表、「お客様取り戻す」
日本旅行業協会(JATA)は1月26日の定例会見で、6日に設立をアナウンスした「アウトバウンド促進協議会」の概要を発表した。同協議会はJATAの海外旅行推進委員会内に新たに設けるもので、会員企業の利益確保に焦点を絞った取り組みを進めることがねらい。政府観光局や航空会社、ランドオペレーターなど外部の企業・団体も招き、これまで以上に強固なネットワークを形成して新たな商品造成などにつなげ、停滞傾向にある日本の海外旅行の復権をはかる。
26日の会見で概要について説明したJATA海外旅行推進部部長の權田昌一氏は、オリンピックなどの大イベントがない今年については、「仕掛けが必要」との認識を示した上で「協議会ではBtoBでしっかりと連繫して仕掛ける。お客様を旅行会社に取り戻す」と宣言。目標については「旅行会社経由の旅行が、会員企業の利益が明らかに増えること」などと説明した。理事で事務局長の越智良典氏は「設立を発表してからの反響は非常に大きい」と伝えるとともに、「日本でアウトバウンドを語れる組織はJATAしかない。代表として責任を果たす」と決意を示した。
協議会の正会員となれるのはJATAの会員企業、各国の大使館観光部や政府・自治体の観光局、ツアーオペレーター、航空・鉄道・クルーズ・レンタカー会社、ホテル、観光施設、旅行業界関連メディア、その他の関係団体など。JATA会員の旅行会社については海外旅行推進委員会のメンバーを中心に50社程度を想定する。大使館と観光局については「日本人渡航者数の上位50位に入る国・地域」を中心に30から40程度、サプライヤーについてもJATAの委員会などに参加している会社を中心に30から40程度の参加を見込む。事務局は海外旅行推進部内に置く。
役員会は各分野を代表する10数名で構成し、会長にはJATA副会長で海外旅行推進委員会の委員長を務めるワールド航空サービス代表取締役会長の菊間潤吾氏が就任。副会長は3名で、同委員会副委員長である阪急交通社代表取締役社長の松田誠司氏、JTBワールドバケーションズ代表取締役社長の生田亨氏の2氏に加えて、メキシコ観光局駐日代表のギジェルモ・エギアルテ氏が就く。そのほか、フランス観光開発機構日本代表のフレデリック・マゼンク氏や日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)会長の大畑貴彦氏など8氏が委員を務める。
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