田村長官、IR推進法案の好影響に期待-定例会見
観光庁長官の田村明比古氏は12月21日に開催した業界誌向け会見で、このほど臨時国会で可決された「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案」について、「MICE施設が整備されれば団体の誘致に期待ができる」と述べた。加えて「ラスベガスなど海外のIRにおいて、手頃な価格で一流アーティストの公演が観賞できるように、良質なコンテンツを提供できるようになれば、旅行業界にも良い影響があるだろう」と期待を示した。
会見では、経済産業省や日本経済団体連合会(経団連)などが来年2月24日からの導入を決めた消費喚起運動「プレミアムフライデー」についても言及。田村氏は「週末の休みが増えることで、近距離アジアなどの海外旅行の促進につながるのでは」と述べた一方、「業界内では休暇の集中が課題となっているが、さらなる集中につながるおそれがある」とも指摘した。その上で「休暇の分散化や旅行コストの低減など、旅行をするための選択肢を増やす取り組みが先に必要なのではないか」との見解を示した。
そのほか、26日に第1回会合を開催した「観光産業革新検討会」については「宿泊業の生産性の向上や、人材の確保・育成など、諸々の課題についてどのような政策をおこなうべきかという議論が中心になる」と説明。さらに「宿泊業の集合体である温泉街の今後のあり方など、観光地経営についても議論をしたい」と意欲を示した。