ハワイ島、直行便でファーストタイマー獲得へ、1.5万人増めざす
ハワイ島観光局は、ハワイアン航空(HA)が12月21日に就航する羽田/コナ線をきっかけに、日本人ファーストタイマーの取り込みを強化する。業界誌などのインタビューに応じたハワイ島観光局局長のロス・バーチ氏は、「待ちに待った」直行便の復活をきっかけとして「年間の日本人訪問者数を、ファーストタイマーを中心に1万5000人増やすことをめざす」と意欲を示した。
バーチ氏によると日本市場単体の数値は取れないものの、全世界からの訪問者のうちリピーターは約75%。このため、「1度訪問していただいた方をリピーターにする自信はある」といい、まずはファーストタイマーにねらいを定める。なお、ハワイ州観光局(HTJ)によると、2015年のハワイ島への日本人訪問者数は前年比18.5%減の14万634人だった。
誘客は、HTJが主体となり「旅行会社への販促」と「一般消費者の羽田/コナ線就航の認知度向上」に向けた施策を展開。HTJ局次長のミツエ・ヴァーレイ氏によると、旅行会社向けには、ハワイ商品を扱うHTJ公認の店舗「サテライトオフィス」や羽田/コナ線を組み込んだ商品を造成・販売する旅行会社を中心にサポートする。具体的には、HTJが実施するオンラインメディアでのプロモーションにおいて、リンク先として旅行会社のページを設定するなどを計画しているという。
また、一般消費者向けには、オンラインメディアを活用したプロモーションを実施。12月21日からは、ハワイ島の魅力を紹介する動画をYoutubeのHTJ公式アカウント上で公開。また、YoutubeやFacebookの広告も利用するという。ハワイ島の魅力についてバーチ氏は「ハワイ島は国立公園のキラウエア火山と日本製のすばる展望台があるマウナケア山が2大シンボル。その他にも、自然・文化・歴史など多様な楽しみ方を提供できる」とアピールした。
なお、日本/コナ間については、1996年から日本航空(JL)が成田/コナ線を運航していたが、2010年には運休。これについて、バーチ氏は「当時はハワイ島自体の認知度がとても低かったほか、コナ空港の設備が整っておらず各航空会社が負担する費用がかなり大きかった」と話し、現在は「空港施設へ新たな投資をしている。今は一時的にテントを設けておこなっているイミグレーションも、3年から5年後にはきちんとした施設が完成する予定」と明らかにした。
また、バーチ氏は、HAが就航する羽田/コナ線は週3便で運航することや、インターアイランドの便数が多いことなどが強みと説明。JLの場合はデイリー運航だっためロードファクターの維持が難しかったと分析した。