17年海外は1700万人、訪日は2700万人に-JTB予想

  • 2016年12月20日

▽国内旅行は微増、訪日は伸び鈍化

 国内旅行については、旅行人数は0.4%増の2億9800万人、平均費用は0.3%増の3万4920円で、ともに微増となる見込み。連休の日並びについては、ゴールデンウィーク(GW)と年末年始を除く週末の3連休が16年より1回多い6回になること、GWは5月1日と2日に休暇を取れば最大9連休に延長できることなどを勘案した。お盆休みについては、16年に策定された11日の「山の日」が17年は金曜日となることから、3連休の前後とあわせて夏季休暇を取る人が多くなると予想した。

 一方、シルバーウィークは9月18日の敬老の日が月曜日で3連休になるものの、23日の秋分の日が土曜日と重なるため、長期休暇を取る動きは少なくなると予測。政府などが2月から導入を進める消費喚起策「プレミアムフライデー」については、期待できるプラス要因として紹介した。

 地域別では、4月に名古屋の港地区にテーマパーク「レゴランド」と大型商業施設「メーカーズピア」が開業することに注目。同エリアが新しい観光地として国内外から観光客を集めると予想した。また、5月には東日本旅客鉄道(JR東日本)の「トランスイート四季島」、6月には西日本旅客鉄道(JR西日本)の「トワイライトエクスプレス瑞風」が運行を開始することから、鉄道の旅にも話題が集まるとの見方を示した。

 そのほかには、3月に千葉県で「変なホテル2号」が開業するなど、各地で宿泊施設の新規開業が予定されていることを紹介。古民家を利用した宿泊施設や、気軽に贅沢なキャンプを楽しめるグランピングなど、新たな宿泊形態が生まれていることにも注目すべきとした。

 訪日旅行については、円安傾向が続く一方で、中国などの経済状況の変化が考えられることから、伸び率は昨年よりも低い12.0%増を予想。クルーズ船の寄港回数が順調に増加を続け、政府もさらなる受入体制の整備を進める考えを示していることから、17年も中国を中心にクルーズ船による訪日外国人旅行者は増加するという。