エアアジアX、関空/ホノルル線は来夏に-日本人の取込強化

  • 2016年12月20日

イスマイル氏(中央)  このほど来日したエアアジアX(D7)CEOのベンジャミン・イスマイル氏は本誌の取材に応え、2017年の夏を目途に関空/ホノルル線を就航したい考えを示した。日本とマレーシアが11年の航空協議で首都圏空港以外の以遠権を自由化してたことを受け、週10便で運航中の関空/クアラルンプール線を延伸して乗り入れるもので、便数は未定。D7は15年に、同路線の就航ををめざして国土交通省と米国運輸省(DOT)に認可を申請していた。就航時期やスケジュールなどの詳細は1月にも発表するという。

 同氏によれば、関空/クアラルンプール線のロードファクターは平均80%以上で好調に推移。全体の75%程度が訪日客で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどを訪れる利用者が多いという。関空/ホノルル線については、日本人のレジャー客の取り込みに注力する考え。

 イスマイル氏はそのほか、週5便で運航中の新千歳/クアラルンプール線について言及。冬の訪日需要増を見込んで、12月1日から17年3月31日までデイリー化することをアピールした。同路線については「将来的には年間を通してデイリーで運航したいが季節的な需要差がある。今後検討していきたい」という。

 新千歳/クアラルンプール線の現在のロードファクターは85%で、乗客の90%以上はマレーシアなどのアジアやオーストラリアからのレジャー客。今後は10%程度にとどまる日本人の取り込みに注力する考えで、日本での認知度の向上や、クアラルンプール以遠への乗継需要の取り込みに努める。

東京コミコンには3万2010人が参加。D7はコスプレイヤーによるファッションショーなどを実施した  イスマイル氏の来日は、12月2日と3日に幕張メッセで開催されたポップカルチャーイベント「東京コミックコンベンション2016(東京コミコン)」に合わせたもの。D7の主要ターゲットである、20代と30代のインターネットを活用する人々が多く参加することから、ブランドのアピールに向けて協賛を決定したという。同氏は一方で、引き続き旅行会社との関係を強化し、シニア層などの取り込みもはかる考えを示した。日本人の乗客のうち25%が旅行会社経由だという。

 そのほかには、中部や福岡への就航を検討していることも説明。中部についてはエアアジア・ジャパン(DJ)が運航を開始したのち、本格的な検討をおこなうとした。