コスタ、17年日本発着クルーズは予約好調、18年も継続めざす

  • 2016年12月18日

(左から)糸川氏、タン氏  コスタクルーズの2017年の日本発着クルーズの予約が好調だ。4月26日から10月13日まで、客船「コスタネオロマンチカ」(約5万7000トン、乗客定員1800人)で日本海を中心に32本のクルーズを実施するもので、9月から販売を開始したが、集客目標5万人に対して、すでに1万人以上の予約が入っているという。12月15日の記者会見で同社日本支社長の糸川雄介氏は「出だしは好調に推移している」と喜びを示した。

 17年の主なターゲットは女性で、ゴールデンウィークや夏休みは女性を中心としたファミリー、それ以外の時期は夫婦や女子旅などの取り込みをはかる。ターゲットに合わせて、船内でのエンターテイメントや寄港地観光を変更する計画だ。

 ファミリー向けには、大人2名と同じ客室を利用する場合に13歳未満の子供を2名まで無料にするキャンペーンを継続。夫婦や女性向けには、コスタクルーズの客船のなかで「ワンランク上のプレミアムクラス」と位置づける、同船ならではの「プレミアム感のあるサービス」を打ち出していく。

 糸川氏によれば、乗客の9割以上は日本発着で、1割が釜山発着を予想。日本発着については、アジアから日本に空路で移動してクルーズに参加する海外発のフライ&クルーズも見込む。

 販売は引き続き旅行会社経由で実施。17年の日本発着クルーズからは早期割引制度を導入し、数回に渡って割引料金を設定して需給状況に合わせた料金で販売に取り組んでいる。糸川氏は、時期によりクルーズ代金が変動することについては「募集型企画旅行商品にとってはチャレンジング」と説明。ただし旅行会社とは緊密に情報交換をおこない、理解を得られていることも伝えた。

 18年以降の日本発着クルーズについては、コスタ・グループ・アジア営業副社長のフェリシア・タン氏が「17年の成功が前提」としながらも、「日本市場には自信を持っている。市場規模も大きいため、18年も(客船を)投入したい」と意欲を示した。コスタクルーズは現在、アジアへは中国を中心に4隻の客船を配船中。17年はコスタネオロマンチカを導入して5隻体制とし、さらに19年と20年にも新造船も投入する予定だ。

同日開催された「クルーズ・オブ・ザ・イヤー」授賞式の様子  このほか、記者会見ではタン氏と糸川氏が今年の7月から9月まで客船「コスタビクトリア」(総トン数:約7万5000トン、乗客定員:2394人)で10本実施した、同社初の日本発着日本海クルーズについて振り返った。同クルーズでは目標の1万4000人を上回る1万8000人を集客しており、タン氏は「外国船として日本海のクルーズを設定するのはとても大きなチャレンジだったが、予想以上の成果があった」と喜びを述べた。

 糸川氏は、16年の日本発着クルーズが日本外航客船協会(JOPA)の「クルーズ・オブ・ザ・イヤー」でグランプリを受賞したことに謝意を表明。同一航路を繰り返し運航して複数の港で乗下船を可能にした「インターポーティング」を実施したことや、旅程に終日航海日を設けず短期間のクルーズ商品を設定して新規市場を開拓したことなどを成果として語った。