ヒルトン、日本での展開を加速-地方都市でも開業視野に
ヒルトン・ワールド・ワイドは先ごろ、日本・韓国・ミクロネシア地区での活動強化に向け、東京オフィスを初めてホテル館外に構えたことにともない、新オフィスでメディア向けのセミナーを開催した。同地区運営最高責任者のティモシー・ソーパー氏は、「2020年の東京オリンピックの開催を抜きにしても、訪日外国人旅行者の動きは無視できない。日本での拠点を拡大するため、積極的に開業の機会を開拓していきたい」と意欲を示した。
ソーパー氏は同社が現在、中核のフルサービスブランド「ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ」を始め、13ブランドのホテルを世界104ヶ国、4800軒運営していることを説明。客室数は約78万9000室で、2015年の利用者数は約1億4000万人に上ったという。
フルサービスブランドの「ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ」「ダブルツリー by ヒルトン」と、ラグジュアリーホテルの「コンラッド・ホテルズ&リゾーツ」の3ブランドで13軒を展開している日本については、来年7月に大阪市の中之島に「コンラッド大阪」を、沖縄県に「ヒルトン沖縄金武」を開業することを説明。ソーパー氏は「現時点で発表しているのはこの2軒のみだが、近年は年間1.5軒のペースで開発を進めており、今後はさらに加速する可能性もある」と述べた。
今後は、主要都市に加えて、地方都市や日本各地のリゾート地でも展開を進めるため、不動産開発業者に積極的にアプローチする考え。東京や大阪などについては「新たに大規模ホテルを建てることが難しいので、古いホテルを買収しリブランドすることになるだろう」と述べた。そのほか、既存の3ブランド以外のホテルを開業することにも意欲を示した。
既存のホテルについては施設や設備のリニューアルを進める。同社は昨年、スマートフォンをかざすことでドアを施錠できる「スマートキー」機能や、アメニティの追加注文機能などを備えたアプリを導入し、全世界の500軒サービスの提供を開始したところ。日本では17年末に「ヒルトン東京」に導入し、半年程度で全ホテルに導入する計画だ。
施設については、客室の改装をおこなっている「ヒルトン東京」は年内に全810室の改装を完了する予定。また、今年7月にリブランド開業した「ダブルツリーbyヒルトン 那覇首里城」は12月から全客室を改装し、17年4月の完了を予定している。