カザフスタン、来年の万博をアピール-中央アジア初開催
日本とカザフスタンの両政府などはこのほど、都内に関係者約400名を招き、第6回の「日本カザフスタン経済官民合同協議会」を開催した。カザフスタン大統領のヌルスルタン・ナザルバエフ氏の来日に伴うもので、同国は中央アジア随一のエネルギー資源国。この日は投資や貿易などに関する複数の会合を実施し、そのうち観光に関する分科会「未来のエネルギー~EXPO2017と観光」では、来夏に首都のアスタナで開催される万博について関係者がアピールした。
「2017年アスタナ国際博覧会」は「未来のエネルギー」をテーマに、6月10日から3ヶ月にわたり開催される予定で、中央アジアでは初めての万博となる。カザフスタンの輸出・投資国家庁にあたるカズネクスインベスト社で社長顧問を務めるグルナル・ケネエヴァ氏は、冒頭の挨拶で「万博を観光業を拡大するきっかけにしたい。なるべく多くの日本人に来ていただきたい」とアピールした。
国営会社のAstana EXPO2017社で参加国対応局局長を務めるイリヤ・ウラザコフ氏は同万博の概要について紹介。105ヶ国と17の国際機関が参加し、500万人の来場者を見込んでいることを説明した。来場者の85%がカザフスタンから、15%が国外からとなる見込みで、日本人来場者数の目標については明らかにしなかった。
日本側からは、同万博の日本政府代表を務める日本貿易振興機構(JETRO)参与の中村富安氏が登壇し、日本館の概要について説明。「Smart Mix with Technology」をテーマに、日本の高い技術力と世界への貢献をアピールする考えを示した。中村氏は「開幕100日前を目途に」詳細を発表する予定であることを伝えるとともに、「面白くしないと万博ではない。その点を押さえてカザフ人が驚く日本館にしたい」と意欲を示した。旅行会社に向けては、アスタナや旧首都のアルマティの観光と、万博見学を組み合わせたツアーの造成を提案した。
カザフスタン観光については、ケネエヴァ氏が再び登壇して最新情報を提供。「カザフスタンはエネルギーだけの国ではない。近年は欧米や韓国などからの観光客が増えている」と述べた上で、建築家の故黒川紀章氏による都市計画案に基づき開発が続けられているアスタナや、同国最大都市のアルマティ、世界遺産のホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟などの魅力を紹介した。
なお、今回のナザルバエフ氏の来日に伴い、日本とカザフスタンの航空当局は2国間の直行便開設について合意。各国ともに週14便まで、日本側は成田、関空、中部へ、カザフスタン側はアスタナ、アルマティ、カラガンダへの乗り入れを認めている。これまで2国間に定期便路線は開設されていない。2014年の交流人口は日本人が約6000人、カザフスタン人が約3000人だった。