JTB、16年度上期は全利益が6割減-下期は仕入強化、FIT取込も
▽航空座席不足が課題、システム刷新も
会見ではJTB常務取締役国内事業本部長の今井敏行氏が、海外旅行を中心に下期以降の取り組みについて説明。課題としては機材の小型化などで供給数が減少傾向にある航空座席の仕入れ強化を挙げ、「航空会社がイールドを重視する姿勢が影響しているが、買い取りやチャーターなど、積極的にリスクを負った仕入れを継続する」と方針を示した。17年4月に予定する海外旅行事業の再編では、JTBワールドバケーションズに仕入れと商品造成を一元化することで、仕入れのさらなる効率化をはかるという。
国内旅行と訪日旅行については、訪日外国人旅行者の急増による宿泊施設不足や宿泊料金の高騰を課題として挙げた。今後の方策については引き続きホテルとの協力関係を強化するほか、「宿泊施設などに設備投資してJTBが独占販売するといった、資金投下をともなう仕入・販売を実施する」と語った。
そのほかには日本人のFITの取り込みを強化する方針を説明。FITが求める複雑な旅程の手配をおこなうためには専門的な知識や予約技術が必要になるため、18年を目途にFIT用の予約システムを刷新し、「どこの支店でも簡単に予約できるシステム」を構築することを明らかにした。システム構築に先駆けて来年4月には、FIT専用のコールセンターを設立。店頭でオプショナルプランのみを購入するFITの取り込みや、ウェブサイトでのホテルやオプショナルプランの取扱強化にも取り組む。
なお、今年6月の顧客情報流出事案の影響については今井氏がコメント。「直接的な影響よりも、事案により広告宣伝を自粛したことの影響が大きかった」と説明した。