JTB、16年度上期は全利益が6割減-下期は仕入強化、FIT取込も
ジェイティービー(JTB)グループの2017年3月期第2四半期累計期間(16年4月1日~9月30日)の連結業績で、売上高は前年比4.7%減の6561億300万円となり、5期ぶりに前年を下回った。営業利益は61.6%減の45億5800万円、経常利益は61.4%減の61億1500万円、純利益は63.3%減の37億4700万円。11月11日の会見で、JTB取締役財務部長の木村岳志氏は「訪日旅行は堅調に推移したが、国内、海外のFITが伸び悩み、減収減益となった」と説明。為替差損の増加も減益の一因として挙げた。
旅行事業の売上高の合計は4.7%減の6011億9000万円で、このうち海外旅行は5.9%減の2337億6200万円となり、3期連続で前年を下回った。国内旅行は4.7%減の3050億2200万円、訪日旅行や海外発海外などの国際旅行は2.8%減の624億600万円。商事事業や出版事業など「その他の事業」は0.8%減の549億1300万円だった。
旅行事業の売上原価は4.9%減の4777億1500万円で、売上総利益は5.5%減の1234億7500万円。内訳は海外旅行が7.0%減の504億3700万円、国内旅行が6.0%減の608億9400万円、国際旅行が4.0%増の121億4400万円。販管費は0.2%増の1276億7900万円となった。
各セグメントの概況は、海外旅行ではルックJTBの売上高が燃油サーチャージ下落などで6.6%減に。アメリカ、アジア、オセアニア方面は増加したが、ヨーロッパ方面はテロの影響で24%減となった。法人営業はリオデジャネイロオリンピックなどで1.2%増と微増した。国内旅行はエースJTBが5.0%減、法人営業が1.0%減。方面別では地震の影響で九州方面が32%減となったほか、北陸が昨年の好調の反動で減少した。
訪日旅行の売上高は10.4%増の374億円。個人旅行者向け商品の販売強化などが奏功したが、予約サイト「JAPANiCAN.com」は宿泊施設の在庫減などで27%減となった。海外事業会社による「グローバル事業」の売上高は、円高が響き11.6%減の989億円。ただし円高の影響を除外すれば1.1%増になるという。
なお、通期の予想について木村氏は「上期の状況と、下期に積極的に投資をおこなうことを踏まえて見極めている段階」であるとい、公表しなかった。
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