小笠原、地方発着の商品造成を呼びかけ、2月にモニターツアー実施も

  • 2016年11月9日

橋本氏  小笠原村観光局(OVTB)は11月8日、都内で旅行会社を対象に小笠原諸島セミナーを開催した。OVTBでは半年に1回旅行会社向けセミナーを実施しており、今回は都内のほか11月16日に大阪、22日に名古屋の計3ヶ所で開催。プレゼンテーションをおこなったOVTB主任の橋本きよら氏は、小笠原への訪問者のうち東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏が全体の約7割を占めていることを述べ、今後の旅行商品の造成について「深掘りした地方発着の商品が、他社と差別化できるポイント」と意見を述べた。

 小笠原諸島は、本土から南に1000キロメートル離れた場所に位置。現在は、東京・竹芝/小笠原諸島父島間において、小笠原海運が曜日不定で約週1便運航する「おがさわら丸」、もしくは小笠原諸島に寄港するクルーズ船を利用することでアクセスできる。

 年間の訪問者数は、世界自然遺産に登録される直前の2010年が1万3572人で、登録後は11年が2万1854人、12年が2万2643人と急増。15年は1万6904人に落ち着いたが、今年は7月に新造船の「おがさわら丸」を導入したことで前年比約10%増と好調に推移しているという。今後も1万6000人から1万7000人の訪問者数を維持していきたい考えだ。

 小笠原諸島への旅行は、アクセスの制約から最短で船中2泊と現地3泊の5泊6日の日数が必要で、現在販売されている旅行商品は、現状として首都圏発商品は充実しているものの、地方発着の商品が少数に留まっているところ。しかし、新造船のおがさわら丸を導入したことで、これまで片道25時間30分を要した竹芝/父島間が24時間に短縮されたため、北は秋田、西は鳥取までに限られていた同日出発可能エリアがほぼ全国に拡大していることから、地方需要の喚起をめざすという。

 また橋本氏は、世界自然遺産の登録などにより訪問者数の増減がある一方で、釣りやダイビングなどを目的としたSITは継続して需要があることを紹介。今後の新たな商品展開として、女子旅や学生旅行、自然の生態系を目的とした写真撮影ツアーなどのSITも提案した。

 このほか、旅行会社の販促サポートとして、小笠原商品の検索サイト「小笠原ベストマッチ」を運営していることを紹介。検索サイトは、小笠原を訪問するツアーを無料で掲載するもので、橋本氏は「ご登録いただければ無料で紹介させていただく。少しでも販促のサポートになれば」と説明した。また、2月6日から9日までは旅行会社やメディアなどを対象としたモニターツアー「OgasawaLearnツアー[3泊4日で小笠原を学べる視察ツアー]」を実施。旅行代金は宿泊付きの場合1名2万9800円からで、申込みは12月6日から受け付ける。