ANAHD、2Qは営利・経利が過去最高、売上高は減
ANAホールディングス(ANAHD)の2017年3月期第2四半期(2016年4月1日~9月30日)の連結業績で、売上高は九州地震や欧州のテロ、円高による外貨建て収入の減少、燃油サーチャージ収入の減少などにより、前年比2.9%減の8849億9500万円となった。一方で営業費用を3.5%減の7954億円に抑えた結果、営業利益は3.2%増の895億6900万円、経常利益は0.6%増の834億6800万円となり過去最高を記録。四半期純利益は6.4%増の574億3900万円で07年に次ぐ第2位となった。10月31日の記者会見でANAHD取締役執行役員の平子裕志氏は「今年度は過去最高の業績をめざしている。第2四半期の結果により計画達成の確実性が高まった」と喜びを語った。
航空事業は売上高が2.4%減の7691億円となったものの、営業利益は4.4%増の847億円と増加した。国際線は日本発欧州路線のレジャー需要がテロの影響を受けたものの、欧米やアジア路線を中心にビジネス需要が堅調に推移。特に北米では日本発のビジネス需要が7%増加した。海外発需要も全方面で好調で、旅客数は10.3%増の447万9981人となった。
一方で旅客収入は円高などの影響により0.2%減の2591億円と微減。旅客単価は燃油サーチャージ収入や外貨収入の減少により9.5%減となった。座席供給量を表す座席キロは11.9%増、旅客輸送量を表す旅客キロは11.6%増で、利用率は0.2ポイント減の75.7%。イールドは燃油サーチャージ減や円高に加えて、旅客単価が低いアジア路線の乗客の増加などにより、1.4ポイント減の11.6円となった。
国内線は九州地震やシルバーウィークの日並びの影響を受けたことなどから、旅客数は0.1%減の2152万124人と微減。旅客収入は1.7%減の3474億円となり、旅客単価は1.5%減となった。座席キロが0.3%減、旅客キロが0.5%増となった結果、利用率は0.5ポイント増の64.6%に。イールドは0.4ポイント減の17.8円だった。
マイレージ関連や機内販売、整備受託、バニラ・エア(JW)などからなる航空事業内の「その他」の収入は5.7%増の1016億円。JWの旅客数は13.3%増の101万6000人で、利用率は0.1ポイント減の86.6%だった。
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