鳥取地震、観光地への被害は限定的、ツアーも影響少なく
鳥取県観光交流局観光戦略課によると、10月21日午後に同県で発生した震度6弱の地震による観光地への被害は、鳥取砂丘がある東部や大山がある西部では皆無で、震源のある中部においても「限定的」だ。本誌の取材に応えた同県の担当者は、余震が続いていることに懸念を示しながらも「キャンセルされる旅行者の気持ちは分かるが、我々は引き続き旅行者を受け入れられる状況にある」と強調した。今後は風評被害対策のため、全国規模のキャンペーンの実施なども検討しているという。
同県中部の主要観光地では、国の重要伝統的建造物群保存地区の「倉吉白壁土蔵群」で壁の一部が剥がれる被害が出たものの、土産物屋などは通常通り営業。北栄町の「青山剛昌ふるさと館」は、現在は館内の土産物屋のみ営業しているが、今週中には館内の安全点検も終了し、営業を再開する予定だ。三朝町にある三徳山の絶壁の窪みに建つ国宝「三徳山三仏寺投入堂」は、参道の安全確認のため入山こそ規制されているが、建物自体に被害はないという。
そのほか、県を代表する温泉地の1つである中部の三朝温泉では、旅館協同組合によると23日にはほとんどの旅館が通常営業を再開。一部の少数の旅館は、新たな予約の受付を中止しているという。
旅行会社数社に聞き取りをおこなったところ、KNT-CTホールディングスについては個人旅行型のフリープランと添乗員同行型のツアーで訪れていた旅行者が複数いたが、全員の無事を確認。催行に関して特段の影響はなかったという。また、新たなツアーについては23日まで催行を中止していたものの、24日からは一部の営業を再開していない宿泊施設を利用するツアーを除き、通常通り催行している。
日本旅行によれば、当日に鳥取県を訪れていた旅行者については無事を確認。個人旅行が多いこともあり催行中止などの影響はなかったが、三朝温泉に宿泊するツアーについては、24日出発分まで手数料なしでキャンセルを受け付けるなどの対応を取った。25日以降の出発分については、宿泊施設によって被害状況が異なるため個別に対応するという。