インタビュー:沖縄観光コンベンションビューロー会長の平良氏

1500万人へ向け「オール沖縄」で
人材育成など観光の地位向上に意欲

-もしご自身が中小規模の旅行会社や宿泊施設を経営するとした場合、どこにチャンスを見出しますか

平良 旅行という切り口からだけでなく、お世話をするということで考えてみてはどうか。旅行会社はお世話係であり、お世話をするノウハウを持っているはずだ。そう考えれば、旅行に連れていくというだけでなく、日々の生活の中でお手伝いする機会がたくさんあるだろう。一歩でも動くということは旅であり、中小であろうとも生き残る道はあるだろう。

 中小の旅館でも、自分のいいものをソーシャルメディアなどを通して発信できる時代になってきている。逆に中小ほど強いはずだ。そういった道具を最大限使っていると、コーヒー1杯、ジュース1杯のために山のなかの施設でも探し出して訪れる人々がいらっしゃる。

 あるいは、地域の観光協会の力を借りて地域間連携をしていく。これからの時代は一施設で売れる時代ではなく、各地域ごと、そしてさらに地域同士の連携で売っていく時代になる。こういったことをいち早くした地域が勝ち組になっていく。

 いずれにしても、チャンスは今まで以上にあると考えている。


-これからのプロモーション戦略をお聞かせください

平良 現在の宿泊施設の平均稼働率は70%弱。4月から6月や11月と12月あたりがショルダーシーズンとなっている。その時期にもお客様が増えてはいるのだが、ピークの夏も伸びており平準化がなかなか進みにくい。

 ショルダーシーズンの底上げでは、外国人旅行者の誘致に力を入れたい。現在は東アジアと東南アジアのお客様が中心だが、これからは欧州からの誘客をめざす。那覇空港には多くの航空会社が乗り入れており、京都や東京などとの組み合わせで沖縄を訪れていただけるようにしたい。

 海外のお客様をお呼びする上での強みは安心、安全、快適だ。また、「Made in Japan」であることも重要で、日本ブランドの中で沖縄ブランドを打ち出していく。さらに、誰に対しても優しく、偏見のない社会づくりの一環としてLGBTの方々やバリアフリー旅行などをしっかり受け入れる沖縄県にしていきたい。


-ありがとうございました