台湾、17年の目標は日本人200万人、交流人口は700万人に
台湾からこのほど、「ツーリズムEXPOジャパン2016」にあわせて地方自治体や観光関連団体、航空会社、旅行会社、宿泊施設など122団体241名からなる「2016台湾観光代表団」が来日し、都内で商談会とセミナーを開催した。名誉団長を務めた台湾観光局副局長の劉喜臨氏は、本誌の取材に応えて「16年の訪台日本人は(前年比10.6%増の)180万人となる予想で、17年は200万人をめざす」と意欲を示した。日台間の交流人口については「16年は目標の600万人を達成する見込み。17年はさらに上乗せして700万人にしたい」との考えだ。
台湾観光局によれば、16年1月から8月までの累計は、訪台日本人が前年比19.7%増の120万733人、訪日台湾人が17.1%増の298万5022人で、交流人口は17.8%増の418万5755人。劉氏は「日台間の交流人口はアンバランスだが、少しでもギャップを縮めたい」と語り、日本人観光客の誘致に注力する考えを示した。
今後は「グルメ」「文化」「ロハス」の3つのテーマに、プロモーションを強化する方針。主なターゲットはシニア、修学旅行、女性で、「グルメ」では台湾の食文化を、「文化」では歴史的建造物や風習などを、「ロハス」ではスパやマラソン、サイクリングなどを訴求する。
さらに、現在は台北に集中している日本人観光客の、地方への分散についても強化する考え。セミナーでは観光局が北部の基隆、桃園、宜蘭などをアピールしたほか、18年に国際園芸博覧会が開催される台中、国立故宮博物院の南院が開業した嘉義、美しいビーチが特徴的な澎湖などを紹介した。加えて雲林県県長の李進勇氏が、2017年の「台湾ランタンフェスティバル」が同県の北港と虎尾で開催されることをアピールした。
終了後の懇親会には日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏が登壇し、「海外旅行復活において台湾の数字は大きい」と重要性を強調。「JATAとしては今後も、台湾への送客を全力でカバーしたい」と意気込みを示した。JATA副会長の丸尾和明氏は、訪台日本人と訪日台湾人のバランスの是正に取り組む考えを表明。17年に四国で開催される第10回の日台観光サミットで、両国の鉄道観光をテーマにしたフォーラムを開催することに触れ、「相互交流にとって新たな流れを産み出す」と期待を示した。