週間ランキング、イベリア航空の戦略1位-来週は「EXPO」
[総評] 今週は、イベリア航空(IB)最高統括営業責任者のマルコ・サンサビーニ氏が10月の再就航を前に販売の方針などについて説明された記事が1位になりました。約20年ぶりの復便、かつ行き先が人気の根強いスペインということで注目が集まるのも納得です。
つい先日のオーストリア航空(OS)や昨年のヴァージン・アトランティック航空(VS)など、残念ながら日本から撤退してしまう航空会社がある一方で、IBやあるいは今年1月から飛び始めたLOTポーランド航空(LO)など日本路線にチャンスを見出す会社もあり、前者には路線を維持できなかったことに忸怩たる思いを、後者には勇気付けられるありがたさを感じます。
ただし、縁起でもないとお叱りを受けるかもしれませんが、VSにせよOSにせよ路線を維持できなくなるのにはそれなりの理由があったわけで、航空座席の数が市場規模に直結する日本市場としては、同じ轍を踏むことのないように危機感を持って「売り支え」ていかなければならないと感じます。
もちろん、前段の例はすべて欧州の航空会社であり欧州といえばテロや難民などそう簡単に解決しない課題にいくつも直面してしまっているところで、売りたくても売れないという側面もあるかもしれません。しかし、まさに課題の解決が難しければこそ、それを待ちわびるばかりではなく課題を抱えた現状を前提とした新しい売り方について考えなくてはならないはずです。
ところで、いつもこのように理想論というか観念的な意見を書くばかりで心苦しいのですが、それでもやはり進むべき道を考えるに当たっては、かくありたいという理想から逆算して次の一歩を見出すべきであると感じます。
トラベルビジョンは旅行業を営んでいるわけではなく、実際のお客様に相対する機会もありませんので具体策をお示しすることはほとんどできません。そうした中でも、取材対象でありまた読者でもある皆様が選ばれたそれぞれの一歩についてお聞きし、ご紹介していくことで少しでもお役に立っていきたいと考えております。
話がそれましたが、新しい売り方や新しい商品という意味では、来週開催のツーリズムEXPOジャパンはそれらを見つける良い機会になるかもしれません。個人的には旅行博、旅博を含めて10回目の取材となりますが、実際の需要喚起効果の測定などこちらも課題はあるものの、やはりあれだけ多くのお客様が集まって異文化や旅に興味を示されている場所は貴重でしょう。
22日の商談会など事前申込が必要なものもありますが、23日の業界日、24日と25日の一般日に国内外のブースを見て回るだけでも気付きがあるはずです。関東圏以外からの参加は難しいかもしれませんが、お時間がある方は是非会場に足を運ばれてはいかがでしょうか。
昨年も同じことを書いていましたが、お客様がどんな料理に列を作り、どんな展示や出し物を楽しまれているかを見るだけでも業務の役に立つはずです。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年09月09日0時~09月16日15時)
第1位
◆イベリア航空、18年振りの日本就航に意欲-4社JVに期待(16/09/11)
第2位
◆JTB、訪日商品をサンライズツアーに集約-17年は116万人目標(16/09/13)
第3位
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第4位
◆バニラ、ホーチミン線就航-ベトナムで認知度向上めざす(16/09/14)
第5位
◆フォトニュース:大韓航空、成田でB747-8iを公開(16/09/13)
第6位
◆航空券リイシューなど24時間対応、エフネスとインフィニが合弁(16/09/12)
第7位
◆バニラエア、日系初の成田/セブ線開設-12月からデイリー(16/09/13)
第8位
◆ガルーダ、17年に成田経由で米国線再開へ、LAXなど候補に(16/09/13)
第9位
◆大韓航空、16年冬ダイヤで仁川/関空線など6路線増便(16/09/12)
第10位
◆8月の旅行業倒産は3件減の2件、負債総額1.2億円(16/09/11)