JTBとパナソニック、訪日支援で本格協業、年度内に2事業開始
ジェイティービー(JTB)とパナソニックは8月31日、訪日外国人旅行者向けのサービスとして、多言語対応の専用タブレット端末で接客や案内を支援する「JAPAN FITTER」と、大型手荷物を宿泊施設や空港に配送し「手ぶら観光」を促進する「LUGGAGE-FREE TRAVEL」を2016年度中に開始すると発表した。両社は昨年の6月から観光分野での協業を開始しており、自動翻訳機などの実証実験を実施してきたところ。9月から10月にかけて実証実験をおこない、年度内に商用化する予定。20年の売上高として100億円以上をめざす。
記者発表会見で挨拶したJTBグループ本社執行役員の古野浩樹氏は、欧米人を中心に訪日外国人旅行者がFIT化し、地方への訪問が増加する傾向にあるなかで、「訪日客へのストレスのない対応が求められる」と説明。ICT技術に強みを持つパナソニックとの協業により、利便性の向上をめざす考えを示した。
また、政府の掲げる20年の訪日外国人旅行者数4000万人の目標について言及した上で、「国策に資する課題解決に取り組み、ビジネスにしていくことが企業としての主要テーマ」と強調。今後はJTBの海外ネットワークを活用して新たなサービスの販売や宣伝活動に努め、日本到着前から外国人旅行者の囲い込みをはかる考えを示した。
パナソニック役員の井戸正弘氏は、JTBのネットワークやノウハウを評価するとともに、「協業により地方にパナソニックの技術を導入し、よりホスピタリティの高いおもてなしを提供したい」と意気込みを述べた。同社は訪日旅行者の送客を通して、地方での関連ビジネスを強化する考え。井戸氏は今回の協業について「人的な労力を機械で置き換える提案がますます可能になる」と期待を示した。
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