日本旅行、16年上期は収益2.4%増、営業損失も改善

  • 2016年8月25日

 日本旅行の2016年12月期中間期(16年1月1日~6月30日)の連結業績で、営業収益は前年比2.4%増の249億3000万円だった。営業損失は教育旅行やMICEなど中核分野の強化や、重点顧客のシニアなどを対象とした商品拡大により、前年から3400万円改善して5億500万円となった。経常損失は8400万円拡大して1億9100万円となった一方、当期純損失は2億6700万円改善して2億1400万円となった。

 このうち日本旅行単体では、販売高は2.4%減の1903億9900万円、営業収益は2.9%増の212億7000万円。営業損失は前年から9500万円改善して3億2700万円、経常損失は100万円改善して7800万円、当期純損失は2億200万円改善して2億100万円となった。

 海外旅行の販売高は22.0%減の525億9000万円、営業収益は21.5%減の40億1400万円。企画商品の「マッハ・ベストツアー」の販売高は30.4%減の130億7500万円で、テロ事件の影響を受けている欧州商品の代わりにアジアやオセアニアなどを強化したことなどにより、販売単価が低下して減少したという。

 団体旅行は、海外旅行需要が全体的に低迷するなか、インセンティブツアーや語学研修などの受注を拡大した結果、販売高は9.2%減の98億3300万円となり、減少幅は企画商品よりも小さくなった。国際線航空券などの単品販売は2.3%減の266億4100万円だった。

 国内旅行の販売高は0.6%減の1202億8100万円、営業収益は3.3%増の138億800万円。企画商品の「赤い風船」は九州地震の影響を受けたものの、JRセットプラン商品の拡充やウェブ専用商品、クルーズ商品、女子旅商品を強化したことなどで、販売高は1.2%増の425億6100万円となった。

 団体旅行は招待旅行やMICEの受注強化、教育旅行の取扱拡大をおこなったことで、販売高は0.4%増の325億3100万円と微増。JR券や国内線航空券などの単品販売は2.2%減の415億500万円だった。

 国際旅行は、販売高が33.6%増の165億9400万円、営業収益が31.2%増の22億9200万円と大幅に増加。海外の有力エージェントへの営業強化やOTAとの連携拡大、ホテルや貸切バスなどの仕入強化が奏功したという。

 なお、通期の業績予想については当初予想の営業収益547億円、営業利益10億7000万円、経常利益18億2000万円、純利益8億6000万円を据え置く。中核分野や地方創生事業の取り組みを拡大するほか、西日本旅客鉄道(JR西日本)との連携により商品の拡充などを推進する。また「九州ふっこう割」を活用した商品を中心とした九州復興応援キャンペーンや、「マッハ・ベストツアー」の販売強化などにも注力するという。