楽天トラベル、予約から「マッチング」へ、人工知能活用も

  • 2016年8月8日

楽天ライフ&レジャーカンパニー・トラベル事業長の山本孝伸氏 楽天ライフ&レジャーカンパニー・トラベル事業長の山本孝伸氏は8月8日、メディア向けに開催した事業説明会で今後の方向性について「一番いいものが見つかるサイト、出会えるサイトになりたい」と語った。楽天トラベルのサービス開始当初は、インターネット上でリアルタイムに部屋を予約し確保できる事自体が強みであったがすでにコモディティ化。そうした中でユーザーが自分にあった宿に出会えるようにし、「ブッキングプラットフォームからマッチングプラットフォームへ」と変化を進めていく考えだ。

 この目標に向けた動きとしては、例えばカンパニー制へと移行したことでエンジニアをカンパニー別に確保することができ、営業とマーケティング、企画と今まで以上に連携し、カンパニー内で意思決定して事業に取り組むことができるようになりはじめている。また、「楽天は取引を成立させる会社だが、それ以上に会員組織にサービスをする会社」であることから、楽天グループの他サービスとの連携も進め、さらに契約ホテルが楽天会員のセグメントごとにターゲティングできるようにしたい考えで、これらの実現には人工知能(AI)なども活用していく。

 また、事業説明会では国内、訪日、海外旅行のそれぞれの分野についても説明。国内と訪日ではキャンセル対策を強化するほか、カード手数料の引き下げや宿泊施設側が日にちと割引率を設定できるクーポン制度の新設、コールセンターの強化も実施。コールセンターは電話で予約も受け付けるもので日本語、英語、中国語、韓国語で365日営業し、特に日本語は24時間対応する。このほか、訪日では海外発の販売を強化するため、2017年を目処に海外で日本以外の宿泊施設の販売も開始する。

 さらに、海外では昨年にワールドトラベルシステム(WTS)を子会社化したことに加え、円高傾向や燃油サーチャージが無料となったことなどにより好調に推移。航空券の分野で先行する他社を追いかけるべく、当面は発券手数料を徴収せずに楽天ポイントも付与するなど戦略的に販売していく。また、ハワイではアウトリガーホテルズ&リゾーツの取扱開始が決まっているほか、ウェブサイトの機能強化や電話予約の開始を検討しているという。