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週間ランキング、1位はHISとミキ、個人情報保護策も

[総評] 今週は、エイチ・アイ・エス(HIS)とミキ・ツーリスト(の持株会社)が提携強化をめざしていることをお伝えした記事が1位でした。現段階では検討委員会を設置するという段階だそうですが、「するかしないか」ではなく「どうするか」の検討のようです。

 ミキのツアーオペレーター事業のうちどの程度がHISグループ以外からの受注か、仮にHISの子会社になったとするとそれがどの程度減るのか、それぞれまったく分かりませんが、ミキグル―プCEOの檀原徹典氏が懸念されているように影響は小さくないでしょう。

 今回もちろんの発表はそれを把握した上でのもので、檀原氏の「現在のビジネスモデルの延長での変革には限界がある」というお言葉には非常な重みを感じます。檀原氏も、これまでの日本市場におけるBtoBの事業に自負心や愛着を持たれているに違いなく、そうであれば顧客離れは身を切られるような思いでしょうけれども、一方では会社の存続が至上命題であるという責務の重みも容易に想像できます。

 日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)の会員数は現在142社で、OTOAに加盟せずにオペレーターをしている会社がどれほどあるのか分かりませんが、大手でこうした動きが出るのですから、今後は合従連衡がより活発になっていくかもしれません。

 今週はこのほか、JTBグループのサーバーへの不正アクセスに端を発した個人情報の保護体制を強化しようとする流れの話題も多くお伝えしました。4位に観光庁による旅行各社の取組状況調査がランクインしているほか、同じ4位にまとめたもう一つの記事も観光庁の検討会についてのものです。

 情報セキュリティの必要性はいまさら述べるまでもありませんが、4位の調査結果の通り、特に会社の規模が小さくなると十分な対策をとることは困難です。検索サイトで「中小企業 セキュリティ」などと打ち込むだけで無数の情報に触れることができますが、まずどこまで読めばいいのかで気分が滅入ります。

 またそうした中の1ページで、億単位の優秀な対策をしなくても数百万円で、といった表現を見ましたが、それを簡単に拠出できる会社はそう多くないでしょう。しかもJTBの一件のようにものすごく手の込んだ形で仕掛けてくることもある、というより分かりやすい稚拙な攻撃はないと思った方が良いと聞いたこともあります。

 この「わかっちゃいるけど」のジレンマをいかに解消するかがカギで、検討会の記事では「セキュリティ対策が直ちに経営問題に直結するという危機意識を」という旨の注意喚起を紹介していますが、正直なところ「他にも経営問題が山積しているし…」と思われてしまうのではないかと感じます。しかし、繰り返しになりますが今週のランキングに2本も入っている通り業界の注目は高く、何かをした方が良いという思いは広く共有されているはずです。

 その意味では、検討会の記事の2ページ目にある、日本旅行業協会(JATA)や全国旅行業協会(ANTA)の事務局に情報セキュリティ担当者を置き、会員会社の対応が困難であれば相談窓口や緊急支援体制を整えよ、という要望は実態に即したものでしょう。また、例えば株式会社ジャタでは個人情報漏えい保険を提供していますが、まずはこうしたところからリスクへの備えを始めるのが手かもしれません。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年07月22日0時~07月29日18時)
第1位
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第10位
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