16年2Qの訪日消費は7.2%増の9533億円-客単価は9.9%減

  • 2016年7月21日

 観光庁によると、2016年4月から6月までの訪日外国人旅行消費額(速報値)は前年比7.2%増の9533億円だった。国籍・地域別でみると、1位は中国で1.5%減の3530億円。2位以下は台湾が2.9%減の1427億円、韓国が7.8%増の695億円、米国が27.0%増の669億円、香港が5.2%増の637億円と続いた。

 同期間の訪日外国人旅行者数は19.0%増の596万人となった一方、1人あたりの旅行支出は9.9%減の15万9930円と減少した。観光庁は減少の理由として、全体の37.0%を占める中国が、円高などにより22.9%減の21万9996円と大幅に減少したことなどを挙げている。

 国・地域別で見ると1人あたりの旅行支出が最も多かったのはベトナムで、13.7%増の23万8375円。2位はオーストラリアで、4.5%減の23万3902円だった。中国は5位に順位を下げた。そのほか、全体の15%を占める台湾は14.4%減の12万3308円、7.3%を占める韓国は6.3%減の6万9310円、6.7%を占める香港は7.8%減の14万8063円となるなど、多くの主要市場で減少した。一方、ロシアは56.8%増の22万20円、ドイツは17.9%増の21万6129万円となるなど、大きく増加した。

 観光庁長官の田村明比古氏は、7月20日の記者会見で中国の消費額減について語り、「為替レートが10%以上円高に動いたほか、4月から中国政府が個人輸入品の関税を引き上げたことなどが影響した可能性がある」との見方を示した。一方で、中国以外については、「円高傾向にあるものの、現地通貨ベースで見ると増えているところもあるので、消費意欲が減退しているわけではない」と説明した。

 消費額を項目別でみると、最も多かったのは買い物代で6.6%減の3603億円だった。次いで、宿泊料金が19.6%増の2648億円、飲食費が16.9%増の1912億円と続いた。買い物代を国・地域別で見ると、引き続き中国が1983億円と突出して高く、1人あたりでは28.7%減の12万3597円と減少したものの、唯一10万円を超えるなど他国を圧倒した。1人あたりの宿泊料金はドイツが11万3122円で最も高く、唯一10万円を超えた。