台湾、新所長に鄭氏が就任、16年は10%増めざす
日台観光促進協会はこのほど、台湾観光協会東京事務所所長の江明清氏の退任と、所長補佐を務めてきた鄭憶萍氏の所長就任にあたり、旅行会社などを招いて歓送迎会を開いた。冒頭で挨拶した同協会会長で日本旅行業協会(JATA)理事長の志村格氏は、江氏が約13年の在任中に「日台観光サミット」を立ち上げたほか、宝塚歌劇団の台湾講演などを実現させたことを説明。「優れたアイデアマンであり、また人柄がすばらしかった」と称賛した。
江氏は02年から東京事務所所長に就任。10年からは1年半ほど本局に戻っていたが、12年からは再び東京事務所所長を務めていた。挨拶では、日本での15年間について「皆さまに本当に感謝している」と語るとともに、15年などに実施した宝塚歌劇団の台湾公演を今後も開催したい考えを示した。
本誌に取材に応えた鄭氏は、16年の訪台日本人旅行者数の当初目標である前年比8%増の171万人を、10%増に上方修正する考えを示した。1月から5月までの累計が19%増と好調に推移していることを受けたもので、「LCCの新規就航や、既存の航空会社の増便などにより、昨年よりも供給座席が増えている」という。
旅行会社については「引き続き一緒にマーケットを盛り上げていきたい」とし、MICEなどのイベントや団体旅行に対する費用の一部サポートなどを検討していることを説明。また、地方へのファムツアーも継続する考えを示し、「台北以外の商品造成のヒントにしてほしい」と要望した。そのほかには新たなマーケットの開拓に向け、ソーシャルメディアの活用も強化する方針を示した。
なお、地方への送客については志村氏も「日本の旅行業界は工夫しなくてはいけない」とコメント。15年の訪日台湾人旅行者数が約360万人に上った一方で、訪台日本人旅行者数は約160万人にとどまっていることを問題視するとともに、是正に向けて協会やJATAの活動を強化する考えを示した。