ユネスコ、新たに21件の世界遺産登録-10月に再審議も
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界遺産委員会はこのほど、トルコのイスタンブールで開催した第40回会合において、新たに21件の世界遺産の登録を決定した。内訳は文化遺産12件、自然遺産6件、複合遺産3件。今回の登録により世界遺産は、文化遺産814件、自然遺産203件、複合遺産35件の計1052件となった。ミクロネシア連邦などが初めて世界遺産登録を果たしたことにより、世界遺産を持つ国の数は165ヶ国に増加した。
日本については、フランスなど6ヶ国と共同で推薦していた「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の登録を決定。同案件には東京・上野の国立西洋美術館が含まれており、日本の世界遺産登録はこれで20件目となった。
環境破壊などのさまざまな理由によって、世界遺産としての価値が危機的な状況にさらされている「危機遺産」には、リビアの5件をはじめとする8件を指定。ミクロネシア連邦のナン・マドール遺跡については、世界遺産登録と同時に危機遺産に登録した。一方、ジョージアの「ムツヘタの文化財群」は危機遺産リストから除外した。
なお、トルコでのクーデター未遂により委員会は予定より早く17日に閉幕。2004年に文化遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の拡大登録など、審議が見送られた案件については、10月にパリで再審議を開催する見込み。
第41回の世界遺産委員会は来年の7月にポーランドのクラクフで開催される。第40回の登録決定案件は以下の通り。
▽世界遺産委員会、第40回会合における登録決定案件
【新規登録】
・文化遺産
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-(アルゼンチン、ベルギー、フランス、ドイツ、インド、日本、スイス)
Antigua Naval Dockyard and Related Archaeological Sites(アンティグア・バーブーダ)
Stećci Medieval Tombstones Graveyards(ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビア)
Pampulha Modern Ensemble(ブラジル)
Zuojiang Huashan Rock Art Cultural Landscape(中国)
Archaeological Site of Philippi(ギリシャ)
Archaeological Site of Nalanda Mahavihara(Nalanda University)at Nalanda, Bihar(インド)
The Persian Qanat(イラン)
Nan Madol: Ceremonial Centre of Eastern Micronesia(ミクロネシア連邦)
Antequera Dolmens Site(スペイン)
Archaeological Site of Ani(トルコ)
Gorham's Cave Complex(英国)
・自然遺産
Mistaken Point(カナダ)
Hubei Shennongjia(中国)
Lut Desert(イラン)
Western Tien-Shan(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン)
Archipiélago de Revillagigedo(メキシコ)
Sanganeb Marine National Park and Dungonab Bay – Mukkawar Island Marine National Park(スーダン)
・複合遺産
Ennedi Massif: Natural and Cultural Landscape(チャド)
Khangchendzonga National Park(インド)
The Ahwar of Southern Iraq: Refuge of Biodiversity and the Relict Landscape of the Mesopotamian Cities(イラク)
【危機遺産登録】
Archaeological Site of Cyrene(リビア)
Archaeological Site of Leptis Magna(リビア)
Archaeological Site of Sabratha(リビア)
Rock-Art Sites of Tadrart Acacus(リビア)
Old Town of Ghadamès(リビア)
Old Town of Djenné(マリ)
Historic Centre of Shakhrisyabz(ウズベキスタン)
Nan Madol: Ceremonial Centre of Eastern Micronesia(ミクロネシア連邦)