ニースで群衆にトラック、100人超死傷-ツアーへの影響は軽微
フランス南部のリゾート地のニースで現地時間の7月14日22時30分頃、フランス革命日を祝う花火を見物する客の列にトラックが突入し、100人以上の死傷者が発生した。フランス政府は新たなテロ事件との見方を示している。外務省は日本時間の15日午前に「海外安全ホームページ」にスポット情報を発出。訪仏旅行者に最新情報の入手や、不特定多数が集まる場所での注意、政府関係施設などに近づかないことなどを呼びかけている。
旅行会社各社はツアー参加者の有無や安否の確認などを進めているが、日本時間の15日15時の時点で目立った影響は見られていない。今後のツアーについては状況を注視しつつ、催行する予定だ。
ジェイティービー(JTB)は、ニース滞在中のツアー参加者がいたものの、全員の無事を確認。人数は公表していない。今後のニースを旅程に含むツアーについては、外務省やパリ支店などからの情報を収集しながら対応を検討するという。
阪急交通社は、添乗員が同行しない個人旅行型ツアーでニースに滞在中の旅行者がいたが、全員の安否を確認した。人数は公表していない。今後のニースを旅程に含むツアーについては、現時点で「めだったキャンセルはない」という。
KNT-CTホールディングスは、受注型企画旅行の団体が1グループ滞在中だったが、全員の無事を確認。ホリデイとクラブツーリズムのツアー参加者はいなかったという。今後のツアーについては状況を見ながら検討を進める。
エイチ・アイ・エス(HIS)は、パッケージツアーで滞在中の旅行者はいなかった。宿泊などの単品手配を利用していたFIT客はいたが、現時点で問い合わせなどはないという。人数は非公表とした。
日本旅行もツアーで滞在中の旅行者はいなかった。直近では8月11日に出発するニースを訪れるツアーを予定しているが、催行を予定しているという。
日本旅行業協会(JATA)の広報室は本誌の取材に対し、「フランスは重要なデスティネーションであり、今後も安心と安全の確保に手を尽くしてプロモーションを継続する」と説明。昨年11月のパリでの同時多発テロ事件発生以降、JATAは観光庁などと協力して、需要回復に向けた使節団の派遣や、「欧州旅行復活に向けた緊急フォーラム」の開催など、各種の活動を続けている。
昨年11月のパリでの事件では約130名が死亡。その後、同国政府は全土に非常事態宣言を発出し、その後は延長を繰り返していたが、今回の事件のあった14日には、期限を迎える7月26日以降は宣言を延長しない方針を示していた。非常事態宣言は3ヶ月延長される予定。