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全日空、システム障害の再発防止策を発表、情報発信強化

  • 2016年6月23日

 全日空(NH)は、3月22日に発生した国内線システムの不具合により、搭乗手続きや予約・販売などができない事態が発生した件について、このほど外部機関を交えたプロジェクトが究明した原因と、再発防止策を発表した。今回の事案では2日間でおよそ150便が欠航し、400便が遅延。7万人超に影響が出ている。

 原因については、国内旅客システムのデータベースサーバーを正常に稼働させるネットワーク中継機に故障が発生。相互に通信できなくなったサーバーが連鎖的に停止したこと、故障した中継機がアラームを発しなかったため、予備機への自動切り替えがおこなわれなかったことを挙げた。

 これまでに実施した対策としては、故障した中継機などを交換。また、今回と同様の事象が再発した際にシステム検知をおこない、直ちにネットワーク中継機を予備機に切り替えるよう、改善を施したという。

 今後はシステムに不具合があった際の利用者への情報発信と、運航の維持などに向けた対策を強化。障害の発生時に利用者に迅速かつ正確な情報を提供するため、発信内容の整備や発信媒体の改善をおこなうほか、システム障害の発生を想定した演習についても強化するという。

 また、これらの対策に加えて、今年度末を目途にデータベースサーバーの構成を変更。あわせて1台あたりのサーバー容量の増強をおこない、システムの処理能力を向上させるという。

 なお、今回の問題を受けてNHは、不具合の発生により大規模なトラブルに結びつく可能性が高いすべてのシステムの総点検を実施。「緊急対応を要する問題点は検出されなかった」と報告している。