JTB、2月に続き地方創生セミナー、DMOの事例を紹介

▽DMO3団体が登壇、ツーリズムおおいたなど

ツーリズムおおいたの荒川氏 セミナーの後半には「日本版DMOが目指す観光振興のあり方」と題したパネルディスカッションを開催。JTB中部、日本版DMO候補法人に登録された3つの法人などからパネリストが登壇した。「地域連携DMO」のツーリズムおおいたで専務理事兼事務局長を務める荒川孝二氏は、設立以来「行政の下請けのような活動をおこなってきた」という同法人について、昨年に組織体制の見直しをおこなったことを説明。3年間の中期的目標として、企画・立案、マーケティング、収益会計ができる組織をめざすことを決定した旨を伝えた。また、現在は別府や由布院などの温泉地を中心に、他地域も巡る着地型商品を展開していることを紹介した。

山陰インバウンド機構の福井氏  「広域DMO」である山陰インバウンド機構の代表理事の福井善朗氏は、同団体の目標として、持続可能な観光地の育成、地域ならではの「マイストーリー」の形成、国際的なブランドの構築などを列挙。そのほか「山陰ブランド」の確立に向けた広域観光周遊ルート「縁の道~山陰~」の形成や、「山陰地域限定特例通訳案内士」の養成などの取り組みも紹介した。

阿智☆昼神観光局の白澤氏  「地域DMO」として登録されている長野県の阿智☆昼神観光局の代表取締役社長の白澤裕次氏は、これまで阿智村の観光素材としてアピールしてきた温泉地の衰退などを受け、新たなキラーコンテンツとして星空をブランド化したことを説明。5年前から「日本一の星空ナイトツアー」を展開し、企業と連携したイベントなどにも注力していることを説明した。

JTB中部の武田氏  JTB中部交流文化部広域交流プロジェクトマネージャーの武田道仁氏は3法人の意見を踏まえ、「日本版DMOの役割は、滞在のための仕組みづくりと、新たな需要の創出」と説明。「地域のなかでパイを奪い合う『競争』ではなく、ともに作り上げていく『協創』」の重要性を強調した。

 JTBは今後、同様のセミナーを6月に旭川でおこなう予定。9月には名古屋、10月には仙台と大阪に加えて、九州のいずれかの都市での開催を予定している。