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シンガポール、セミナーと商談会を開催、国交50周年受け盛況

  • 2016年6月19日

商談会の様子  シンガポール政府観光局(STB)は6月16日に東京、17日に大阪で「シンガポール トラベルマート&セミナー」を開催した。昨年の独立50周年に続く、日本・シンガポール外交樹立50周年の今年はこの10年で最大規模となり、商談会には25社・団体が出展。セミナーは「レジャー」「MICE」「教育旅行」の3テーマを用意し、午後と夕方の2部制で開催した東京会場は約350名、大阪会場は約150名の計約500名が参加した。特に東京会場ではレジャーセミナーを1回分追加し、計3回実施したほど盛況となった。

鎌田氏  レジャーセミナーを担当したSTB国際グループ日本支局シニアマネージャーの鎌田光記氏は、外交樹立50周年にあわせ、日本人旅行者限定で現地での特典を提供する「SJ50キャンペーン」を中心に、さまざままな企画を用意していることを説明。シンガポール航空(SQ)とは特典を盛り込んだガイドブックを制作し、SQ便利用のツアー客に配布している。

 さらに、異業種との取り組みを増やしていることもアピール。日本酒「獺祭」とラッフルズホテルのコラボによる特別カクテルのほか、フジテレビのミニ番組「空色のおくりもの」、成城石井のシンガポール料理の弁当、りそな銀行VISAカードやセゾンUCカードとのキャンペーンなどについて説明し、「目的は新たな需要創出。旅行業界の周辺のみならず、その他の消費者へのリーチを増やすことで販売の援護射撃になれば」とその意図を語った。

セミナーの様子  鎌田氏は、日本人訪問者の動向について「良いホテルに泊まる傾向がある」と説明。2015年の旅行者数は前年比4.3%減の78万9179人と減少したが、観光消費は6.3%増と増加しており、「シンガポールは高いから売れないという声を聞くが、消費者はあまり価格に影響されずに決断しているのでは」と述べた。マリーナベイ地区とセントーサ島の2つのIR(統合型リゾート)を皮切りに、継続した観光開発が推進され、「価格に見合った観光素材が充実してきたことも理由の1つ」ともアピールする。

 新素材としては、マリーナベイサンズ内の「アートサイエンス・ミュージアム」で、日本のテクノロジーアート集団teamLab(チームラボ)とコラボした常設展「フューチャー・ワールド」が開始されたほか、旧最高裁判所と旧市庁舎を改装した新美術館「ナショナルギャラリーシンガポール」もオープンしたことを説明。職業体験型テーマパーク「キッザニア」やデジタル・エデュテイメント施設「MOSH!」などの家族向け施設のオープンや、7月23日に東南アジア初のミシュランガイドとして、シンガポール版の発売が予定されていることも紹介した。

 また、シンガポール動物園やナイトサファリのあるマンダイ地区でも再開発が計画されており、ジュロン・バードパークを同地区に移設するほか、20年には新テーマパーク「レインフォレストパーク」がオープンすることについても説明。これらをあわせ、同地区を熱帯雨林の自然と動植物がテーマのIRとする新計画も紹介した。

 なお、16年の日本人旅行者数は、4月までの累計で前年比3.5%増とプラス推移。円高が一気に進んだ2015年12月以降、上向き基調だという。