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スカイスキャナー、ヤフーとの連携で日本での認知度向上

  • 2016年6月16日

(左から)スカイスキャナージャパンの絹田氏、スカイスキャナーのフィリポフ氏  スカイスキャナーは日本市場における認知度向上に注力し、海外旅行者のさらなる取り込みをはかる方針だ。同社B2B担当ディレクターのフィリップ・フィリポフ氏と、スカイスキャナージャパンCEOの絹田義也氏はこのほど本誌の単独インタビューに応え、日本での事業方針などについて説明。フィリポフ氏は、スカイスキャナーは現在、中国市場と日本市場に積極的な投資をしていることを説明し、「日本は非常に重要かつ大きな市場」と強調した。

 スカイスキャナーはスコットランドのエジンバラに本社を置き、ロンドン、グラスゴー、シンガポール、北京、深セン、バルセロナ、ソフィア、ブタペスト、マイアミに拠点をもつ。日本では2015年7月に、同社とヤフーの合弁会社として東京にスカイスキャナージャパンを設立し、本格的な事業を開始したところ。フィリポフ氏は各国での展開にあたっては「ローカルな強みを持つパートナーが必要」と説明。ヤフーについては「認知度が高く、日本文化に精通し、インターネット上でのプレゼンスも高い」と評価した。

 2015年のスカイスキャナーの日本人利用者数は前年比62%増と大幅に増加しており、絹田氏は「ヤフーとの連携が大きく寄与した」と振り返った。同氏によると利用者のほとんどが20代から30代の若者で、特に女性の利用が多い。用途については海外航空券の検索が多くを占めるが、国内線の検索についても2倍の伸びを示しているという。

 今後は海外旅行での利用者を主なターゲットに据え、若者へのプロモーションを強化し、認知度のさらなる向上をめざす。フィリポフ氏は「(海外旅行市場の)パイは小さくなっていても、我々は日本でのビジネスを始めたばかり。シェアをしっかり取っていきたい」と意欲を示した。今後はFacebookやTwitterを活用したプロモーションや、交通広告などを実施していく予定だ。公式ウェブサイトでは旅行関連の記事を掲載し、旅行需要の喚起もはかる。

 絹田氏は、日本人が使いやすいよう、公式ウェブサイトの日本語表記をよりわかりやすいものに改善するとともに、スカイスキャナーの利便性を訴求したい考えを示した。同社で提供する、航空券の価格が変更した場合にメールで知らせる「プライスアラート」機能や、出発地のみを入力して検索すると世界各国への航空券の運賃を一覧で表示する機能などをアピールしていくほか、LCCも検索できる点も訴求していく考え。

 現在、スカイスキャナーはOTAや航空会社など1200社と提携。日本市場については絹田氏は「大きなOTAは一通り押さえている」とコメント。「メタサーチとして、OTAや航空会社と協業していきたい」と意欲を示すとともに、今後は大手企業から中小企業まで、OTAや航空会社との取引をさらに広げていきたい考えを示した。