マレーシア、留学促進に向けセミナー、認知度向上へ
マレーシア政府観光局と日本マレーシア協会はこのほど、「マレーシア教育研修セミナー」を開催した。マレーシアは国家予算の約20%を教育行政に投じるなど、国を挙げて教育の発展に力を入れており、その一貫として海外からの留学生の受け入れにも積極的に取り組んでいる。同観光局マーケティング・マネージャーの徳永誠氏は「多民族国家のマレーシアはアジアの縮図。日本で求められているグローバル人材を育成するためにも最適な国」と話し、日本人学生のマレーシア留学を促進していく方針を示した。
また、徳永氏はマレーシア高等教育省とマレーシア観光文化省が共同で立ち上げた「Malaysia 101 Edutourism Packages」について触れ、現地の9つの国立大学とタイアップした研修ツアーの受け入れを積極的に進めていることを紹介した。さらに、私立大学でも1週間から2週間程度の短期留学の受け入れをおこなっており、今春には「ペナン留学モニター」として北海道、関東、関西の大学から16名の学生を受け入れたことを報告した。
セミナーには、現地からエデュケーション・マレーシア・グローバル・サービス社のシニアディレクターのサイド・アルウィ・アルサゴフ氏も参加。現在、マレーシアの大学などの高等教育機関には約150ヶ国から約15万人の留学生が在籍しており、そのうち約2000人の日本人が学んでいることを説明し、「学費や生活費、英語でのコミュニケーション、多国籍の学生との交流、取得可能な学位など、日本の学生の満足度も非常に高い」と語った。
このほか、マレーシア英語学校協会会長のロー・ワイ・チェン氏は、マレーシアでの語学研修のメリットについて説明。多民族国ゆえの文化的寛容性、学費や生活費を含めたコスト、英語教育機関の充実、先進国と変わらない生活水準をメリットとして挙げ、「マレーシアが選ばれるのにはしっかりとした理由がある」とした。
なお、セミナーではペナン留学モニターに参加した学生がその成果を発表。留学先としてのマレーシアの認知度を上げるためには、まずは現地の英語や生活などについて漠然とした不安を取り除くことが大切との考えを示した上で、旅行と留学の中間としてのマレーシアでの「プレ留学」を提案した。