羽田米国線枠、NHは夏前に新路線発表-JL「最後の是正に」
日系航空会社2社は4月28日に開催した決算会見で、国土交通省がこのほど発表した羽田/米国線の発着枠の配分についてコメントした。同局では全日空(NH)に昼間枠3便と深夜早朝枠1便の計4便分、日本航空(JL)に昼間枠を2便分を配分したところ。
ANAホールディングス(ANAHD)上席執行役員の平子裕志氏は「昼間枠は従来飛んでいない路線に使っていくことが一番望ましい」と述べるとともに、「そのことがお客様の利便性とNHの競争力の強化にも寄与する」との考えを示した。国土交通省には8月頃に冬ダイヤを申請する見通しだが「それまでには新路線について発表できるのでは」という。
一方、JL代表取締役社長の植木義晴氏は「14年夏ダイヤの羽田国際線も傾斜配分だった」と振り返った上で、「8.10ペーパーに基づいた考え方で今回も配分されたということであれば、残念ではあるが受け入れざるを得ない」とコメント。その上で、「8.10ペーパーは公正な競争環境にするために作られた文書。今まで国際線の枠だけでも2回分適用されており、今回が最後の競争環境の是正にしていただきたい」と要望した。
国交省はJLに対する公的支援の代償として、12年8月に発表した「日本航空の企業再生への対応について」(8.10ペーパー)で、JLの現中期経営計画に盛り込まれていない新規路線の開設は「抑制的に」判断することを決定している。