ポーランドとハンガリーがセミナー開催、LOT活用呼びかけ
ポーランド政府観光局はLOTポーランド航空(LO)とハンガリー政府観光局の協力のもと、先ごろ東京で旅行会社向けのセミナーを開催した。ポーランド政府観光局局長のマリウシュ・ワタ氏は、1月13日からLOが成田/ワルシャワ線の運航を開始したことについて「直行便がようやく就航し、政府観光局にとってこれほど嬉しいことはない」と喜びを示した。
同局によれば、2015年1月から11月までの日本人訪問者数の累計は前年比4%増の約5万100人。ワタ氏は「欧州を訪問する日本人が減少傾向にあるなか、4%増の成長は大変嬉しい」と語り、宿泊数も3.6%増の約9万8000泊と前年を上回っていることを説明した。
セミナーでは同観光局局長補佐の石川みゆき氏が、ユネスコの世界遺産や自然、都市の魅力をアピール。南部にある世界遺産の古都クラクフを拠点に、世界遺産のヴィエリチカ岩塩坑、古城ホテルのあるニェポウォミツェ、日本旅行業協会(JATA)の「美しい村30選」に選ばれたザリピエ村などを訪れるルートを提案した。このほか、16年の欧州文化首都に選ばれた南西部のヴロツワフや、同都市の近郊にある陶器祭りで有名なボレスワヴィエツ、北部にあるバルト海沿岸の港街グダンスクなども紹介した。
ハンガリー政府観光局日本代表の勝田基嗣氏は「LOを活用すると、ハンガリーに13時間強で到着できる。乗り継ぎ時間が短いので便利」と語り、LOの就航を歓迎。昨年9月にはシリアなどからの難民の流入により、ブダペスト東駅での混乱や高速道路の閉鎖などがあったものの、現在はこうした問題は解決されている旨を説明し、「安心して送客してほしい」と要望した。16年は地方への誘客を強化したい考えで、JATAの「美しい村30選」に選ばれた中世の町並みが残るショプロンや、世界遺産に認定された4世紀のキリスト教の墓地があるペーチ、北東部の街エゲルを紹介。MICEの誘致にも注力していくという。
同氏は本誌の取材に応え、オーストリア航空(OS)が今年9月に日本から撤退することについて、オーストリアとハンガリーを組み合わせた周遊ツアーへの影響があるとの見通しを示した。15年の日本人宿泊数は前年比5.4%減の約14万泊で、今年は3月にブリュッセルで起きた同時多発テロ事件などの影響もあり、前年並みを予想する。
このほか、セミナーではLO旅客営業部長の福島英人氏が、LOの初便がほぼ満席だったことを紹介。1月、2月ともに順調に集客しており、ロードファクターは約75%だったという。同氏は約8割が旅行会社の添乗員同行ツアーで占められていることを説明し、今後は旅行会社における認知度をさらに向上させる考えを示した。