カナダ、観光予算増額、16年日本人は29万人超を予想-RVC

  • 2016年4月26日

RVC2016のカナダ観光局のブース  (モントリオール発:特派 山田友樹)今年で40回目を迎えるカナダ最大の旅行商談会「ランデブーカナダ2016 (RVC2016)」が4月24日、ケベック州のモントリオールで開幕した。今回は、28ヶ国から536名のバイヤーが参加。そのうち日本からは過去最高の54名が集まった。現地のセラーは582社・団体が出展。参加者は総勢1680名超となり、過去最大となった。

 カナダ観光局社長兼最高経営責任者のデービッド・ゴールドスティーン氏は現地時間25日に開催した会見で、2016年から17年の2年間の追加プロモーション予算として、カナダ連邦政府から5000万カナダドルが認められたことを明かした。議会を正式に通過したのち、各マーケットへの配分が決められることになる。ゴールドスティーン氏は、「米国や中国以外への投資も強化されるだろう」と話し、旅行者数が増加している日本市場への配分も増額される見通しを示した。

 また、カナダ国立公園管理局(パークス・カナダ)はカナダ建国150周年を迎える2017年は年間を通して、同管理局が運営する国立公園、国定史跡、国立海洋保護区の入場料を無料化する。さらに、追加予算とは別に、先住民の観光素材に焦点を当てた「アボリジニ・ツーリズム」への投資も強化していく方針だ。

カナダ観光局のデービッド・ゴールドスティーン氏  15年に世界からカナダを訪れた旅行者数は前年比7.5%増の1778万人。日本市場も好調に推移し、出国者数が前年割れとなるなか、6.4%増の27万5027人と増加した。ゴールドスティーン氏は理由として、航空路線の拡大、安全なデスティネーションとしての認知、長年にわたる日本の旅行業界とのパートナーシップを挙げるととともに、同局が日本で展開しているポータルサイト「カナダシアター」について、「効果的に訴求力を高めている」と説明した。

 16年についても日本市場は順調に成長すると予測。日本人旅行者数について、当初は前年比4%増の28万6000人を見込んでいたが、6%増の29万1000人に上方修正したという。ゴールドスティーン氏は16年の目標が達成されれば「17年も当初見込みの30万人から31万人に引き上げることができるだろう」と期待を表した。また、外国人旅行者数全体については、20年までに2000万人をめざす。

 16年は建国150周年に向け、カナダシアターを核としてさまざまなプロモーションを展開していく計画。「新しい日本人旅行者を開拓していく必要がある」(ゴールドスティーン氏)との認識から、教育旅行にも力を入れ、将来のリピーターにつながる若者層へのアプローチを強めていく。

旅行業界向けには、カナダ観光局と在日州政府観光局による「チーム・カナダ」を中心として、主要旅行会社16社に加えて、FITを主に扱う旅行会社10社やランドオペレーターとの協力関係も強化していく方針。このほか、冬期の送客増にも注力。冬のマーケットを確立することで、「今冬の送客を前年比10%増にしたい」(日本地区代表の半藤将代氏)考えだ。