プリンセス、17年日本発着は7.5万人目標、ベトナム寄港も
プリンセス・クルーズは2016年4月25日に、横浜港に停泊中の客船「ダイヤモンド・プリンセス」内で16年の日本発着クルーズの開始を記念した式典を開催し、17年の日本発着クルーズの計画を発表した。4月20日出発から11月10日出発まで、日本発着クルーズとしては過去最長の約7ヶ月間に渡り28本を設定。16年見込み比27%増の7万5000名の取り扱いをめざす。6月1日から販売を開始する予定で、早期申込割引やリピーター割引などを用意した。
式典で登壇したプリンセス・クルーズインターナショナル・オペレーション担当エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントのアンソニー・H・カウフマン氏は「我々は日本発着クルーズのパイオニアであり、日本に対するコミットメントは揺るぎないもの」と強調。「日本は独特の文化を持ち、豊かな観光地がある。日本への配船と日本市場に対する投資を引き続きおこなっていく」と語った。
カウフマン氏は「日本発着クルーズはサービスの質の高さから、さまざまな外国人が参加している」と説明。カーニバル・ジャパン代表取締役社長の堀川悟氏によれば、外国人旅行者の割合は15年は全体の約3割だったが、16年は約4割に増加する見込み。東京や大阪を中心に宿泊施設が予約しづらくなっていることから、クルーズを利用する外国人旅行者が増加しているという。欧米やオーストラリアからの旅行者が中心で、北海道を1周するクルーズや日本を周遊するクルーズの人気が高く、特に北海道は半数以上を外国人が占める。中国人については、プリンセス・クルーズの中国発着クルーズを主に利用しているという。
17年のクルーズでは、横浜と神戸を母港に6ヶ国・29ヶ所の寄港地を訪問。新たに石垣島と福井県の敦賀に寄港する予定だ。同社としては初めて、横浜発着で鹿児島、ベトナム、香港、台湾、那覇をめぐる16日間のコースも実施する。同コースの主なターゲットはリピーターやクルーズへの興味が高い顧客だが、堀川氏は「日本人が飛行機を使わずに(ベトナムに)行くことができる」と話し、クルーズ初心者にも訴求できる魅力のあるコースであることを説明した。
クルーズの実施時期については、16年は10月4日出発までだったところを17年は11月まで延長しており、堀川氏は「国内外の需要を踏まえ、供給量を伸ばすために時期を伸ばした」と説明。16年の予約はほぼ満室で好調に推移しており、同氏は今後の実績次第では客船2隻で日本発着クルーズを展開する可能性も示唆した。
このほか、17年は同社としては初めて秋の紅葉をテーマにした「秋を彩る日本周遊と韓国10日間」を設定。桜祭りや夏祭りに参加するコースや、ユネスコの世界遺産を訪問するコース、クルーズ初心者向けの6日間のショートクルーズなども用意した。28本のうち4本は旅行会社によるチャーターで、クラブツーリズム、エイチ・アイ・エス(HIS)とクルーズプラネットの2社共同、阪急交通社がそれぞれおこなう。
なお、17年は新たな客室として「プレミアム・ジュニア・スイート」を設けるほか、新客室と既存の「スイート」の宿泊者を対象に特別な設備やサービスを提供する「クラブ・クラス」も新設する。詳細は5月上旬に発表するという。