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旅行会社と宿泊施設でWin-Winの関係を-JATA経営フォーラム

  • 2016年4月14日

仕入れから販売までのあり方を見直し
宿泊施設と消費者から選ばれる旅行会社に

分科会の様子  OTAが台頭しインターネットでの旅行商品の予約の比率が高まるなか、店舗を持つ旅行会社「リアルエージェント」は店頭販売での需要獲得において厳しい状況にさらされている。リアルエージェントは今後、宿泊施設とどのような関係を築き、連携していけば良いのか。日本旅行業協会(JATA)がこのほど開催した「JATA経営フォーラム」での分科会「宿泊業界との新たな連携の在り方と課題」では、3軒の宿泊施設の経営者が現在の販売状況などを紹介し、リアルエージェントとの関係について考えを述べた。

登壇者
滝の湯ホテル代表取締役社長 山口敦史氏
春茂登旅館代表取締役社長 根本芳彦氏
ホテルおかだ取締役営業部長 原洋平氏
日本旅行取締役常務執行役員営業企画本部副本部長企画・開発部長 吉金嘉洋氏
(※当時。現在は同社取締役兼常務執行役員)
モデレーター
ジェイティービー(JTB)取締役旅行事業本部長 今井敏行氏


販売比率は自社3割、旅行会社7割
今後は比率維持でパイ拡大めざす

滝の湯ホテルの山口敦史氏 分科会ではまず、各宿泊施設が総宿泊人員における公式ウェブサイトを含む自社販売と、OTAを含む旅行会社での販売の比率を紹介した。天童温泉の滝の湯ホテルは自社が38%、旅行会社が62%。ただし日帰りの利用も含めると自社が48%、旅行会社が52%とほぼ5割ずつになることから、同社代表取締役社長の山口敦史氏は「比率については丁度良い」との見方を示した。「多くの販売チャネルを持つのは良いことだと思うので、今後は分母を増やしていきたい」という。

 春茂登旅館の日光千姫物語は、自社が35%で旅行会社が65%。同社代表取締役社長の根本芳彦氏は、「(旅行会社での販売は)手数料の問題もあるので理想は50%ずつ」と説明。ただし、旅行会社の販売のうちリアルエージェントの顧客については、高単価で館内消費額も高いことから「今後も減らそうとは思ってない」と述べた。

 箱根湯本温泉のホテルおかだでは自社が33%、旅行会社が67%。同社取締役営業部長の原洋平氏は「自社ウェブサイトからの宿泊客は流動性が高いので、そこまで伸ばしたいとは思っていない」と話した。同氏によると、自社販売のうち24%が公式ウェブサイト以外での営業活動による直販で、「今後は(リピーターを獲得しやすい)ウェブ以外の直販を30%までに伸ばしたい」という。


※訂正案内(編集部 2016年4月14日16時50分)
・訂正箇所:1ページ登壇者欄4人目、3ページ4段落3文目
3月25日付けの人事異動により、吉金氏の新たな役職を追記しました。