15年度宿泊業倒産は5件減の92件、特別清算が大幅増
東京商工リサーチ(TSR)によると、2015年度(2015年4月~16年3月)の宿泊業の倒産件数は前年度比5件減の92件で、2年連続で100件を下回った。負債総額は0.3%減の542億2000万円。東日本大震災関連の倒産は4件減の11件だった。主な倒産は、3月に負債50億円で特別清算の開始決定を受けた石川県の相互開発事業や、負債28億8700万円で同じく特別清算の開始決定を受けた大阪府の関西エアポートワシントンホテルなど。
形態別では、特別清算が16件増の26件と大幅に増加したことが特徴。TSRによると、過去の設備投資に伴う不良債権を処理し、訪日旅行の拡大などにより収益性の見込まれる宿泊事業を別法人に移して、再建をはかる動きが顕著になってきたという。一方、破産は前年と同じ59件で全体の6割以上を占めた。
なお、16年3月単月での倒産件数は11件で、前年度の5件から6件増加した。負債総額は56.5%増の127億7300万円で、前年同月の81億5900万円から46億1400万円増加。相互開発事業などの大型倒産が影響した。震災関連の倒産は1件だった。